私サンタになる
お手伝い奥ちゃん
第1話 救い希望
12月24日、子供達がサンタを楽しみに待っている日
私はお母さんと買い物に出掛けていた。
「フユナそこで待っていてね。」とお母さんはスーパーのトイレに行った。
外はイルミネーションで飾られキラキラとしている。
今日寝ている間にサンタが来るんだと気持ちが昂っていた。
ふと私の視界にサンタの格好をした人が見えた
私はサンタさんにプレゼントをお願いし忘れていた事を思い出しサンタさんのもとへ走って行った。
サンタは風船をたくさん持っており子供達に渡していた、サンタは風船が少なくなり慌てたかの様にどこかへ小走りで向かう。
私もそれを追う。
サンタはあるコンテナの中に入って行った。
私はサンタさんが出てくるのを待った。
どれだけ経ってもサンタさんは出て来ず大人の人が3人出てきてどこかへ歩いて行くだけだ。
私はお母さんの元へ戻ろうと思った、だがここがどこだか分からずとりあえず歩いた。
歩くも歩くもお母さんは見当たらない。
夕方から出掛けていたため太陽はとっくに沈みイルミネーションの光でキラキラと眩いが私の気持ちは焦る一方だ。
街の時計を見ると7時を指している。
どうしよう、だんだんと足も早歩きになる、今日に限って車でちょっと離れたスーパーまで来ていたのだ。
お母さんも今頃私を探しているだろうか
もう帰ってしまっただろうか色々と考えが巡る。
走り回るもお母さんは見つからずさっきいたスーパーにも辿りつかない。
私は走り疲れてどこか分からない場所で座り込んだ
ぼーっとしていると涙が出てきた。
小学校一年生が人前で泣くのは恥ずかしいと思い伏せて泣く、寒さも増して来て鼻水も垂れてくる。
私はこのまま死んでしまうのか、小学生一年生にしてそこまで追い詰められてしまった。
歩く気力もなくただただ人に見られない様に伏せてなく時間が長々と続く。
「お嬢ちゃんそんな所で何しているんだい?」
意識が遠のきそうな所顔を見上げると若いお兄さんがいた。
「さては迷子だな、お兄さんが助けて上げる。」
私は思わず「助けて、お母さんに会いたい。」と言い大きな泣き声を出していた。
「落ち着いて、お家は分かるかい。」
私はここからお家がどこか分からない、だから横に首を振る。
「お母さんとどこではぐれたの?」
「スーパーぁ」と泣きながら答える。
「ここからスーパーか、たくさんあるなー、よし一つずつ回るか!」とお兄さんと私は歩き出す。
お兄さんは歩きながらも腕時計を気にしていた。
一つ目のスーパーも違い二つ目、三つ目も違った。
「もう10時か…」と呟き。
「今からお兄さんがやることは誰にも言わないと約束してくれ」と私の目を強く見つめる。
わかった、と言わんばかりに私は頷く。
お兄さんは携帯電話を取り出し
「今西島スーパー青旗前にいる、ジロウを至急よこしてくれ、そのまま着替えて配達に出るプレゼントは積んであるな?…OK!頼んだ!」と電話を着る。
「ちょっとあの裏に俺は行く、ぜったいにお母さんの所に連れていく、お嬢ちゃんの名前は?」
「フユナ!」
「よし!俺はギンジ!高い所は大丈夫か?」
「大丈夫!怖くないもん!」内心は怖いが何故か私は強がった。
「来たな…フユナ待っていてくれ!」とギンジは走ってスーパーの裏に走って行った。
数分もしないうちにギンジは戻って来たサンタの格好をして。
「おっお兄さん、サンタなの!?」と私は驚く。
「良いから来て!乗るよフユナ!来い!ジロウ!」とギンジは大きな声で言う。
すると、トナカイが走ってこちらにくる後ろには大きな荷物を載せて。
ギンジが私の手を掴みソリに飛び乗る。
「今から飛ぶよ!大丈夫だから俺を信じろ!」とトナカイと空を飛んだ、信じられない事が起きている為私は瞬きを忘れたかの様に目が見開いていた。
空から街並みを見渡した。
あるひとつの場所でパトカーが光っているのが見えた。
「ひょっとしたら、お母さんが警察を呼んでフユナを探しているのかもな!あのスーパーの裏で着地するか俺にしっかり捕まれ!」とギンジは言いトナカイはスピードを上げて裏へ向かった。
スーパーに近づくにつれ、私はお母さんの姿を確認出来た。
「気持ちは分かるが声は出さないでくれ」とパトカー、お母さんの上空を行きスーパーの裏で着地した。
「実はね大人には見えないんだトナカイやソリとかも含めて、サンタの格好をしているあいだ。フユナこの事はさっきも言ったが内緒だぞ!わかったか?もし話してしまったらプレゼントは渡せなくなるからな!」
「わかった…」と私は頷く。
「お母さんの元へ行ってきな」とギンジは言う。
私はギンジと離れるのが寂しくなった。
「もう会えないの?」
「そうだな、フユナが俺の事サンタと知った以上は」
「嫌だ!どうすれば良いの?」
「だめだ、サンタの決まりなんだ」
「なら私もサンタになる!そしたら良いでしょ!」
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