第27話 グロス王国

 グロス王国についた俺たち。


 15日くらいかけて到着した。だいぶ遠くにあったので結構時間がかかった。


 その後、王都に向かい到着した。


「ここがグロス王国の王都か」


「噂に聞いた通りね」


「ひどいところだな」


 王都の街並みはひどいの一言だった。

 町の道の脇には至る所に乞食がいる。道はまともに整備されておらず、ゴミが至る所に散乱している。

 建物も殆どが汚れており、まともに掃除などされておらず、半壊になっているような家もそのままになっている。


 道を歩いている人は、豪華な服を着たものと、ボロボロの服を着ているものの、2つにいる。おそらくかなり格差があるのだろう。


「暴虐王のせいで国中が荒れに荒れていると聞いたが、ここまでひどいとはな」


 レミが町の光景に驚いた様子でそう行った。


「グロス王国って初めて来たけど、こんな感じなんだ ……」


 ミナも感想をいう。元々ひどい町だとは噂されていたみたいだが、ここまでひどいのは予想外だったようだ。


「街並みはどうでもいいから、とりあえず暴虐王をさっさと潰しに行こう。城に行けばいいのかな?」


 さっさと不老不死の呪いを解くすべを早く聞きたいからな。長くこの町に居座る気は無い。


 俺たちは城に向かうがその途中、気になる貼り紙を発見する。


「これは……」


 王からのお触れらしい。自分を殺したいものがいればいつでも決闘を受け付ける、国王バグダムド、と書かれてあった。


「こいつ王のくせに、決闘受け付けてんのか?」


「暇つぶしに決闘を受け付けているらしいわね」


「へー、よっぽど自信があるんだな」


 ちなみに決闘にはルールがあって、降参は不可能、死んだ方の負けで、生き残った方の勝ちである。逃げることはルール違反。決闘する人数は何人でもいい。決闘の申し込み方法は城の前に立っている門番に、決闘をしたいという旨を知らせること、知らせたら決闘当日まで城の決闘者部屋で過ごすこと。決闘は申し込まれてから、およそ5日後くらいに行われる。決闘場所は王都決闘場。ただし、人数が多すぎる場合は、王都の外で戦うこともある。


「なるほどねー。じゃあ、これで暴虐王は殺すかー。とりあえず城に行くか。あーお前らはついてこなくていいぞ。一人で倒してくるから。死にたいと思ったらついてきてもいいけどな」


「え? でもついて行かなかったら……」


「忘れられるかも……」


「でも、流石に死ぬかもしれないし」


「あー、別に忘れんから安心しろ。ちょっと戦うぐらいの時間なら問題ない」


「そ、そうなのか?」


 若干疑ってかかっているが、とりあえず納得したみたいだ。

 ちなみにメオンも今回ばかりはリスクが大きすぎると言って、俺についてくるのを止めるようだ。

 バラシアはついて行くと言ったが、レミ、アイシャ、ミナの三人組に止められていた。

 最終的に納得したみたいだ。まあ、殺されても生き返らせれるから別にいいっちゃいいけど。


 その後、俺は一人で暴虐王のいる城へと向かった。


 城までは1時間ほどで到着した。結構大きい城だが、なんか至る所に金や宝石の装飾がしてあって、なんか趣味が悪い。

 自分の権力を国民に知らしめるための城なんだろうけどな。


 俺はその後、門番に、


「暴虐王との決闘を希望する」


 と伝えた。


「あのーあなたが?」


「そうだ」


「お仲間は?」


「俺一人だ」


「やめておいた方がいいと思うんですけど」


「なぜそう思う」


「いやだって……正直あまり強そうに見えない」


「失礼なやつだな。人は見かけにはよらんものだぞ。俺は強いから暴虐王など普通に倒せる」


「す、すごい自信ですね。分かりました。そこまで言うのなら、決闘の話をしてきますよ」


 そう言って門番が一旦、城の中に入っていった。


 そして、しばらく経って、


「お待たせしました。ついてきてください」


 と言われて、俺は門番についていった。

 そして、結構広い部屋に通される。

 中には剣であったり魔法具であったり、戦いに必要そうな物が色々置いてあった。


「ここが挑戦者待機部屋です。恐らく5日後決闘が始まるのでそれまで、この部屋から出ないでください。その間、体が鈍りそうでしたら、練習用具は一通り置いてありますので、そちらで鍛錬をしていてください」


 そのために、この武器とかは置いてあったのか。


 俺には必要ないけどな。


 その後、5日間部屋で過ごして、決闘する日が訪れた。




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