第百十話 その後の活動報告

 チヨルカン騒動の後、ワタクシ達は各国復興を中心に走り回ることになりましたわ。


 復興作業をすると共にチヨルカンとサルジーンをどうするかを考えながらも、調査を進めていくと、チヨルカンでは火山の近くから良質な温泉が湧いていることが判明。

 この温泉を利用しチヨルカンの一部を観光地とすることに決定、簡易的ではありますがゴブリン達が温泉宿を造り出しましたのよ。

 サルジーンは鉱石が取れる山が多く鉱山の街とすることに決定、ここはドワーフやオーガ達が中心となり鉱山街となる予定ですわ。


 方針が決まれば早いですわよ。

 どんどん復興が進んでおりますもの、チヨルカンやサルジーンの元国民もこの状況に慣れてきたようで他種族とうまくやっております。生活水準が徐々に上がってきてるので喜んでおりますわ、しかしサルジーンの国民はまだ大多数が栄養失調によりダウン中ですわね。


「こうなってしまえばもう走り抜けるだけですわね」

「まさかこの国が行き成り大国の仲間入りすることになるなんて、思ってもいませんでしたよ」

「ワタクシもまさか、こんな短期間にこうなるなんて予想できませんでしたわよ、もっと長い時間をかけて復興させるつもりでしたもの」

「本当に、貴女に出会えてよかったと思います」


 魔王国の城の会議室でしみじみとそういったマウナさん。


「前にも言いましたが、ワタクシって割と優秀ですのよ」

「割と? マナカさんは凄く優秀ですよ」


 そんな会話を交わしつつ、書類に目を通していきます。

 急に拡大した領地の復興資金の心配をしておりましたが、想像以上に醤油と味噌が近隣に流通しており、資金の方は余裕があるとは言えませんが何とかなるところまで持ち返しておりました。

 ここまで来ると、ワタクシの出番は半分は終わったことになりますわね。


「しかし、これでマウナさんの願いの殆どは達成されましたわね」

「国の復興ですね、ですが次は国の発展です。これからもまだまだ発展させていきますよ」

「そうですわね。そうなると次の特産物を考えるべきですわね」

「何か案でもあるんですか?」


 発展、確かに次はそこですわね。そうなると更なる資金が必要です、そう考えたワタクシは次の特産品を考えます。やはりそうなると醤油と味噌があるのにアレがないのは納得いかない、よって次の特産品を探すことにします。そう、お米ですわ!


「ええ、セカンドステップは醤油味噌に合う最高の穀物である、お米探しですわよ」

「お米、ですか? どういったものなんでしょうか?」

「味噌や醤油にとても合う主食となる穀物ですわ。チヨルカン、サルジーンの両領地がも少し落ち着いたら探してみようと思いますのよ」

「わかりました、では。両領地の事をもっと詰めてしまいましょう」


 まだまだこの国ですることはたくさんありますわね。


 ――

 ――――


 更に数日が経ち、サルジーンのダウンしていた領民たちもほぼ動けるほどまでに回復。今では魔王領の亜人の方々と協力し街を作っているところです。

 ワタクシはお米を求めて、サルジーン崩壊のきっかけにもなった集団召喚で異世界から来た者たちが住む村、水原中津国と呼ばれる村を訪れましたわ。

 この村は平安ぐらいの時代から来た農民と武士の方々が中心で田で稲を作り、何とかこの世界でやってきたそうですわね、そしてここも村だけではやっていけないということで魔王領の一部となり、住民も魔王領の方へとお引越し、その際に稲を確保し無事お米を確保することが出来ましたわ。

 後にこのお米も我が国の重要な資金源となってくれましたわね。


 ワタクシ達はこの後も資金集めと街の補修などを繰り返しておりました。

 こうして約半年の月日が経ちましたわ。


「もう、資金面ではほとんど心配のない国になりましたね」

「思った以上に上手く事が進んでおりますものね」


 街の復興もほぼ終わり、今は当初の予定であったインフラ整備等に着手しておりますわね。


「ふぅ、警邏、防衛部隊の数も増えてきたわねぇ。志願する人も増えてきて育成が大変よぉ」

「こ、こちらも医療班に志願してくれる人が割といるので、専門の知識を教える、し、施設が欲しい気がします」

「自分の方は志願は少ないでありますが、ダークエルフ隊と元チヨルカン暗部の方々のお蔭で素晴らしい諜報部隊が完成しつつありますね」


 ベティさん、アルティアさん、中尉達が報告にやってまいりましたわね。

 復興完成目途が立ったあたりから街の治安維持に治療院の強化、そして他国の動向を探るための機関の設立も進めておりますわ。


 既にこの国は以前の滅亡寸前の姿は無く、他の国が無視できない大国へと変貌しておりました。

 人口も最初と比べると三倍に増えております、そしていまなお増えております。

 経済的にもシェンナさんやコリーさん達が頑張って作っております醤油、味噌。元中津国の方々が作るお米これらを中心とした特産物で賄うことができるほどになっております。


 国としてはまだまだな部分がありますが、元々ただのお嬢様が国を再建してると思えば十分な成果だと思いませんこと?

 さーて、復興の次は発展ですわね、もう少し頑張ると致しましょう!

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