最強への道 〜異世界で神になるまで〜
土沢天樹
第1章 プロローグ
第1話 始まり
とある世界のとある場所で布切れ1枚しか着ていないボロボロの男が歩いていた。男は絶望により力を求めていた。
この世界は混沌としていた。
人を支配し、虐げる者がいて、人に支配され、虐げられる者もいるが、その構図はすぐにでも崩壊し反乱や裏切りが起こっていた。まさに昨日の味方は今日の敵。
力や権力がない者が日々震えて過ごすのは当たり前であり、また権力を持つ者もいつ反乱が起き、殺されるかを恐れながら日々を生きている。
文明は全く発展せず、人類の終わりを待つだけの世紀末であった。
この男は普通に生きたかった。
妻と子供とともにひっそりと暮らしていたが、町の地主によって不敬として一人息子は殺され、それに反対した住民と結託して地主を殺し、他の住民の推薦によって新たな地主になったが、仲間だと思っていた住民達に裏切られ、愛する妻も殺されてしまったのだ。
たった一人の信頼できると思っていた家令には、逃げている際に、有り金と身ぐるみを剥がれこの有様になってしまったのだ。
守るべきものを守ることが出来る力が欲しい。
男は切にそう願った。
そしてそれはこの世への憎悪へと変わった。
そこにあるものが現れた。
そのなにかはこう言った。
(我は神から逃げしもの。汝、力を求めるなら我の手を取れ。さすれば汝に大いなる力が与えられるだろう。)
男は迷わずその手を取った。
その瞬間、目の前のなにかは消え、自分の周りになにかオーラのようなものが渦巻いていた。後に人はこれを魔力と呼び、そこから発する摩訶不思議な現象を魔法と呼び、それを初めて発現されたこの男を、始まりの魔法使いドリ………………
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