モノクログ
グリン
第13話絶望観測
今日、絶望しました
失望じゃなく絶望
希望がひっくり返って絶望に変わった
期待していなかったけど
絶望することには慣れているけれど
この全身の血の気がサーッてひくような感覚はなんともいえない
これからの希望のビジョンがガラガラと崩れてゆく
恐怖の鼓動が高鳴ってゆく
足取りが重くなり
周りの人の顔を見るのが億劫になる
信号待ちで立っていることさえツラい
こういう時に限ってなかなか青に変わらない
知ってるよわかってる
こういう時は何をやってもうまくいかないって
何回絶望したと思ってんのさ
絶望の対処方はわかってんだから
絶望すると自分勝手になろうとする
わかってる
自分勝手な勢いがついてくる
わかってる
些細なことにキレやすくなる
わかってる
何かにすがりたくなる自分を忘れたくなる
わかってる
募金してみた
瞬時に方向転換して衝突を避けてみた
チョコレートビスケットを食べてみた
待ってみた
帰宅ラッシュ時の電車の空いてる席にすわれた
4人掛け向かい合わせの席の壁側のひとつだけ空いていて手前に荷物を抱えた女性がいたけど手前の向かい合わせに座った人の足を踏まないように慎重に足を入れて壁側の席に入りこんだ
隣のスマホをいじってる女性の画面をチラッと見てみた
周りの座った乗客が何をしてるか見てみた
こんな時は他人に目を移したほうがいい
自分に浸らないほうがいい
絶望は自分の中にあって周りには自分じゃないものがあるのだから
また希望が湧き上がってくることを待つことにしよう
要領が悪いとつくづく思ってしまうのだけども希望をもたずにはやっていけないから
望むも望まざるも俺は渇望してるのかなぁ…
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