◇2024.11.5◇日記のような手紙◇

11月5日(火)楳図かずおさん


漫画家の楳図かずおさんのご逝去を今日のニュースで知る。


幼い頃、怖がりなのに怖いもの見たさで、貸本屋さん(昭和のあの頃には、駄菓子屋さんも貸本屋さんも身近にあった)で楳図作品を借りてきては読み、数々のトラウマになったもんだ。


それほど怖いなら読まなきゃいいんだけど、まるで電灯に惹き付けられる蛾のように、フラフラと手にしてしまうのだ。

「へび少女」「赤んぼ少女」「おろち」「洗礼」……などなど。

楳図先生の絵柄もわたしは苦手で、大ヒットした「まことちゃん」などはギャグ漫画だったのに、恐怖漫画のトラウマが大きすぎて笑えなかった💦

それほどのインパクトある作風。


そんななか、怖いというより哀しいという印象で、深く心に残っている作品がある。

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「鬼姫」楳図かずお

(1972年7月10日初版・1981年10月30日33版発行)


《戦国時代。 高取城の鬼姫(奈津姫)は、その美貌とは裏腹に、冷酷無慈悲さで恐れられていた。 しかし、病により視力を失い、村娘のお志乃を自分の「影」とする。》


人間の弱さと強さと哀切が胸をキリキリとさせた。

あまりにも理不尽な運命、生き残るための変容、すれ違いと絶望。


忘れ難い、わたしにとっての楳図作品No.1は「鬼姫」である。


偉大な漫画家さんがまた一人、旅立たれた。


合掌。

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