第24話~✭最終話✭~
その日のCafeこもれびは賑やかな活気に溢れていた。
若い男女でほぼ全ての席は埋まり、いつものこもれびとは様子がまったく違っていたけど、楽しい笑い声が溢れる店内はマスターの望んでいた景色なのかもしれない。
マスターはいつもの笑顔で迎えてくれた。
「蓮君そして真理亜ちゃんこんばんわ、待っていたよ、2人で来てくれたんだね、今夜は近くのホールで人気のバンドがライブやってたらしいんだけど、その子達が以前この店に良く来てくれてたんだよ、ライブでその話したらしくてさ、この隠れ家もそのファンたちに見つかったみたい」
「大変ですね、でもステキなことですね、落ち着いてからでいいのでいつものオムライスお願いします。」
「もちろんさ、あの席は今夜予約席として確保しているからね」
マスターは真理亜にふざけてウインクをした。
そのやり取りを見ていた蓮は、不思議そうな顔をして笑っていた。
いつもの窓際の席に2人はすわった。
窓の外の満月はまだ現れる気配もなく
薄ぼんやりとした光は雲の隙間から微かに覗いているだけ。
「俺さ医者になる、そして小説も諦めないと決めたんだ、親父にもそれを認めてもらった…だからこれからも書くよ、いくつになっても諦めない、その小説を広夢と真理亜ちゃん…君に捧げたい、待っててくれるかな?何年掛かるかわからないけど…」
「もちろんだよ…ずっと待ってるから」
いつものCafeこもれびとは違う雰囲気だけど心地よいのは変わらない。
お客さんがまばらになり、閉店の時を待っていた「なんだかごめんね、騒がしくなかった?」
マスターが申し訳なさそうに言った。
「そんなことないですよ、楽しそうな会話はかえって心地よいですから」
「それは良かった、また2人でおいでよ」
マスターはいつもの、笑顔で言った。
◇◇◇
その日から2人は連絡をとりあった、色んなことを伝えあった、お互いにカクヨムでたくさんの小説も読んでいた。
不思議な事に好きな作品にコメントしようとすると、蒼が先にコメントを書いていたりして真理亜は嬉しくなった。
「真理亜ちゃんがフォローしてる作品読むと間違いないよ」
「なんだか、好きな作品も似ちゃってるのかな」
「きっとそうだね、僕はあのタロット占いを題材にした青春の小説が好きかも」
「そうでしょ、わたしあの作者さんの書く作品全部大好きなんだ、蓮君もそう言ってくれる読み手さん増やさないとね」
「ひどいなぁ、
2人の日常はお互いの温もりで幸せで優しいものになった。
スマホには毎日通知が入る、フォローしている作者の更新の知らせだ、スマホを開いた真理亜の瞳から涙が溢れた。
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秋山創真さんが新作を発表しました。
「満月の夜とオムライス」
待ち焦がれていた新しい物語
そこには、蒼の描く新しい世界が広がっていた。
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《応援コメント》
新しい物語ですね。
楽しみにしていました
これからも応援しています。
《返信コメント》
いつも応援ありがとうございます。
満月の夜は誰かと一緒にいたいと思ってしまいます。
明日は満月ですね
オムライス食べたくなります
もちろんいちばんそばにいて欲しいひとと……
*─❦ℯꫛᎴ❧─*
最後まで読んで頂きありがとうございます。
是非あとがきもを読んでください。
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