疲れが残る?

「…………ラガスさんたちって、ダンジョンでいつもこんなに美味い飯を食べてるんですか?」


「まぁ、そうだな。お前らも性能が高いマジックポーチやバッグを購入すれば、出来るようになるぞ」


「やべぇ、なんか涙出てくる」


「はぁ~~~、幸せ~~~~」


休憩時、亜空間にしまっていた食材を使って料理を作ると、泣くやつまで出てきた。


これが普通なんだよな……って考えると、本当に俺は恵まれてるな。


「高性能な……ら、ランク五ぐらいでしょうか?」


「そうだな。ダンジョンに何日潜るか分からないけど……狩りの鬼になって金を集めるのが一番手っ取り早いと思うぞ」


「か、狩りの鬼ですか」


「当然、しんどいとは思う。だから、無責任に絶対とは言えないけどな……ただ、我慢して金を貯めて性能が高いアイテムバッグかポーチが手に入れば、探索時に余裕が生まれるのは間違いないと思うぞ」


「……二十日間か、三十日ぐらい頑張り続けた方が良いってことっすね!!!!!」


そりゃそうなんだけど……仕事、目標があるとはいえ、二十日や三十日も頑張り続けるのは難しいだろ。


三十日間頑張るとして、三日間か……六日間休みを入れるとしても……何かしらの回復手段はいるだろうな。


「そういうそこそこ期間が長い目的を設定するなら、休日の日にちゃんとしたご褒美を用意するのが良さそうだな」


「う、美味い飯を食べるとか、ですか?」


「それも一つのご褒美だな。甘い菓子が好きなら、そういう店で決めた金額分を堪能したり」


女性陣の顔を見る限り、これは結構良さげな案みたいだな。


「俺、あんまり甘い物は好きじゃないんすけど、どうしたら良いっすか」


「料理以外だと…………そういう店に言ったらどうだ?」


「っ! そっか、そういうのでも良いのか」


俺はまだ行く予定がないというか、行こうものなら……その後がめんどくさそうなので行けないが、こいつらは彼女が居なければ好きな様に行けるだろ。


あっ、でもカエルパンチが得意なボクサーが、試合前にやったから全力を出せなかったんだっけ?

ということは……もしかして、次の日がダンジョン探索っていうのを考えると、あんまり良くないのか???


「とりあえず、使う金額を決めてそれで楽しめる……もしくは癒される時間を確保すれば、長い目標も耐えられる……と思う。後、どれだけの日数をダンジョン探索出来るのか、事前に確認しておかないとあれだけどな」


「…………頭がパンクしそうっす」


「なら、パンクする前にパーティーでそういうのが得意な奴に任せるしかないな。その為のパーティーでもあるだろ」


俺もそこまで細かい事を考えては動いてはいない、メリルに任せてる部分はそれなりにある。


「ただ、その分戦闘ではしっかり頑張る。そういう役割分担がキッチリできてたら、任せても大丈夫だろ」


「うっす!!!! 超頑張ります!!!!!」


……超頑張るのは良いけど、頑張り過ぎてパーティーのブレインに迷惑を掛けないか心配だな。



「ん? ありゃオークのゾンビ……にしては体が大きいな」


狼竜眼で視ると、ランクはCだった。

まだ俺たちとは距離があるけど……多分、完全にこっちをロックオンしてるな。


「あのオークゾンビ、ランクはCみたいだけど、どうする?」


勿論、ここで俺たちに頼るというのは全然ありだろう。

悪い選択肢じゃない。

寧ろそういう選択を出来る人物を評価する人も多いだろう。


って俺は思うんだけど…………どうやら、Cランクぐらいじゃ引けないみたいだな。


「ラガスさん。あいつの相手は、俺たちに戦らせてください」


「…………分かった。死ぬんじゃないぞ?」


「「「「「「「「「「はい!!!!!」」」」」」」」」」


中途半端な闘志を宿してる奴は一人もいないみたいだな。


これなら、安心して見てられそうだ。

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