服の用意
「はぁーーーー、あんまりこういう格好は慣れないな」
「なに言ってんだよ、休日に執事服とかあり得ないからな」
「それは分かってるよ。でも、あんまり洒落た服は着ないからいまいちなぁ……」
今はマックと合コン? の為に着ていく服を古着屋に探しに来ている。
執事服以外の服も勿論持っているんだが、マックからはもっと洒落た服の方が良いと言われて連れられてきた。
一応金は旦那様から給料として貰ってるから大丈夫なんだが……いまいち自分に何が合っているのか解らないな。
「てか、デイビスの奴も一緒に来たら良かったのによ」
「デイビスは色々と服を持ってるんだし、今更服を買う必要は無いんだろ」
それよりマック、お前はデイビスにもっと感謝するべきだぞ。
普段のデイビスを考えればこういった遊びには参加しない筈だし。
「確かに、あいつマジで色々と服を持ってたしな」
「主が随分とデイビスを可愛がってるみたいだからな」
デイビスの主人は女性なのだが、結構デイビスに甘々だとデイビス自身から聞いた。
ただ、デイビスは元々堅い性格をしてるから、その主人としてはもっと自分を頼って欲しいと思ってるんだろうな。
だからそんな甘々になるのだろう。
「まっ、あいつの事は一旦置いといて。シュラに似合う服を選ばないとな」
「別に俺は変な服じゃ無ければ別に良いんだが」
「馬鹿言うな。着る服の色だけでも他人に与えるイメージは変わってくるんだぞ。お前がピンクや黄色がメインの服を着てたら超ダサいだろ」
「それは・・・・・・まぁ、確かにそうだな」
少しそんな服を着てる自分をイメージしてしまったが、全く似合わない事だけは分かった。
「シュラはやっぱり若干暗い系の色が似合ってるよなぁ~~……これとか良いんじゃないか?」
渡された上着は黒がメインの服だった。
確かに俺には暗い系の色が合ってそうだな。
ただ、俺は鬼人族だから肌が赤い。
だから暗い系であっても赤は論外なのか……いや、寧ろ殆ど赤で纏めるのもありなのか?
「どうしたんだ急に難しい顔をして」
「いや、何でもない」
あまり服とかには興味が無いが、あんまり俺が変な格好をすればラガスさんに迷惑を掛けるかもしれないし、ここはマックのアドバイスをしっかりと聞いておこう。
こうして意外と悪くない時間は過ぎていき、合コン? 当日となる。
「なぁ、マック。ちょっと早く来過ぎたんじゃないのか?」
「何言ってるんだよシュラ、男女が一緒に遊ぶときは男が待ち合わせの時間よりも早く来るのが鉄則なんだよ。なっ、デイビス」
「そうだな、マックの言う通りだ。遅刻は完全に論外、時間ピッタリに来ても基本的には遅れないように五分前には着くものだ。なら男が……特に今回は誘った俺達がホストになるんだ。遅れる訳にはいかないだろ」
「そ、そういうものか……まぁ、普通に考えればそうなるのか」
別にお互いに好きな者同士って訳じゃないんだから、そこら辺はあんまり気にしなくて良いと思っていた。
だが、自分達がホスト側という事を考えれば早く来るのは当たり前の事か。
まぁ……今回、俺とデイビスは巻き込まれた側だから関係無い。って思いたいが、誘われた女子側からすればそんな事は関係無いのだろうな。
因みに俺の服装は黒や深い赤などがメインの服装。
長袖長ズボンだから少し暑いが、この程度なら問題無い。
デイビスは……ぶっちゃけ貴族に見えてもおかしく無いほどのオーラを放っている。
服の色は青がメインでアクセサリーなども付けているので、更にデイビスのカッコ良さが引き出されている。
マックはちょっと明るめの服を着ているが、それはいつも明るい態度のマックに自然と会っていた。
・・・・・・うん、黙ってればカッコいい分類に入るんだろうな。
さっきからすれ違う女性たちがあの人達結構カッコ良いいね、という言葉の中にマックも含まれている。
ただ、俺達はまだ成人していない子供なんだから、子供にしてはという意味だろうけど。
「……ッ、来たみたいだな」
こういう休日は初めてだし、のんびりと楽しむとしよう。
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