プレゼン終了
「それで、次は魔弾に関してなんですけど・・・・・・こいつに関してはアビリティが無いんで、個人の努力の量とセンス、後は空間認識力や先読みによって使える使えないが変わってきます。というか、投擲も似たような感じですけどね」
「確かに似ているかもしれないね。ただ、投擲に関してはアビリティがあり、アビリティレベルが上がれば方向変化や追尾機能が付いてくるが、魔弾はそれを個人で処理しなければいけない」
「投擲と違って物が要らないんで荷物を持つ必要は無いですけどね。ただ、少量とはいえ魔力を使うので油断は禁物です」
俺は魔弾のアビリティを持ってるから追尾機能も方向変化も容易に出来るけど、初めて行う人からすれば結構難しいだろう。
センスがある人なら案外上手くやってしまうかもしれないけど。
ジークだって一か月弱? ぐらいで回転による方向変化は上手いこと出来てたし。
「なるほどなるほど……まだ何か気を付ける事はあるかな?」
「そうですねぇ・・・・・・まっ、一番重要なのは当てることだと思いますよ。相手は当たり前ですけど動く訳なんで。そこは投擲も同じです」
「動く、当たり前だけどそこが難しい点だね。そこで必要なのが空間認識力って訳か」
「はい。自分なら魔弾で勝負を決めることは出来ますけど、他の人だと雑魚を手短に殺す為の手段ってところです」
魔弾のアビリティを持ってるお陰で俺は色んなアレンジを加えられるけど、他の人は自分が持つ属性魔法の魔力を加えるぐらいだろう。
ただ、それでは強敵と対峙した時に有効打にはならない。
投擲と同じく妨害がメインになる。
というか、そもそも強敵と認識する相手とそんな運悪く一人の状況で遭遇するとは思わないけど。
「動く対象に対してどれだけ正確に当てられるか、それと戦闘中に上手く相手への妨害手段として利用出来るか。そして最後は……その裏を突いて有効打に出来るか」
「・・・・・・ふぅーーーー、私達よりも戦闘に関しては随分と頭の回転が速いようだ。いったいどれだけの経験数を積めばそこまで考えられるようになるのか気になるよ」
「さっきも言ったように、殆ど毎日戦ってばかりの日々を送ってたんで」
考える事は誰にでも出来る、ただそれを実践するのが難しい。
それは生徒会長も解ってる筈だ。
ただ、教えられることなく自然とその考えに辿り着いたのが凄いって意味だろう。
「雑魚を蹴散らすのには使えるかもしれないですけど、自分と実力が近い相手と戦う時は基本的に魔弾で勝負を決めようとは思わない方が良い。それが解って貰えば十分ですね」
「使いこなすにはそれ相応の時間が掛かるとは思っていたけど、本当に時間がかかりそうだね」
「完全に使いこなすって事を考えるとそうかもしれないですけど、サブの攻撃として考えればそこまで掛からないと思いますよ。経験をこなせばですけど」
動かない的相手に練習するのも別に良いけど、やっぱり実戦での経験あるのみ。
「貴重な情報を有難う。ラガス君は将来ハンターになりたいと聞いたから、お礼の品はこれにしようと選んだんだけど、どうかな?」
生徒会長からお礼の品が入った箱を受け取り、早速中を確認する。
「コンパス、ですか?」
「そうだよ。ただし、水を探すためのコンパスだけどね。ほら、やっぱり野営をする時は水が必要になるでしょ。用意していた水だけでは足りないって場合もあるだろうし」
それは確かにそうだな。
ただ、俺は水弾で水を用意出来るが・・・・・・それでも、そこそこ高価な品であることは変わらないし、有難く貰っておこう。
「ありがとうございます」
「いやいや、こちらこそわざわざ時間を割いてくれて有難う。君のシングルス、ダブルス、チーム戦の出場はほぼ確定してるけど、油断しない様に気を付けてね」
「はい、勿論です」
気を抜いていたら一発で意識持ってかれてりする可能性は否定出来ないからな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます