誇れる自慢の弟
SIDEクレア
「本当に体術のレベルが高いわね」
「高いってもんじゃないだろ。お前の弟マジでヤバいな。俺の攻撃なんて絶対に当たらないだろ」
「僕も武器を使ったとしても当てられるイメージが全く浮かばないね」
そりゃそうでしょうね。ラガスの核は私達と比べてもレベルが高い。
素の身体能力に関しては立っているステージが違う。今はまだ骨格や筋力の差でそこまで離れていないかもしれないけど、いずれ完全に離されるのも時間の問題。
それにファイターとしてラガスを見れば、パワーよりでは無くスピードよりのタイプ。
それに加えて魔力や闘気による身体強化に慣れているラガスにはそもそもな話、攻撃を当てる事すら難しいのよ。
「長い間接近戦で鍛え上げてきた反射神経は洒落にならないのよ。もしあんた達がラガスに攻撃を当たられるなら、私なんかに負けないわよ」
「「うっ!!!」
あら、ちょっと言い過ぎたかしら。
でも本当の事だしね。でも最近は結構考えて動けるようになってきているから私も余裕を持って戦うのは難しいでしょうね。
「ミーシャ、メリル、シュラ。この三人の接近戦タイプと戦ってきたんだから大抵の攻撃をかわす事ぐらい簡単よ。ミーシャだってラガスに攻撃を当てるの大変だったでしょ」
「もの凄く大変だしたね。本気で避けるラガス様に攻撃を当てた事なんて本当に数えるほどしかいないかと」
私なんて片手の指があれば十分よ。
とにかく、ラガスは本当に強い。基本属性の魔法が使えなくても、ね。
ただ……それに付いて行くサルネも本当に強いわ。
勿論ラガスは今の状態が最大限に身体強化を行った訳では無い。でも魔闘気だって使ってないし。
でも学生を相手にするには十分な速度と力で戦っている。
「ガキの頃からモンスターを相手に戦ってたとは聞いていたけど、本当に俺らとは立っているステージが違うな。まっ、前に進むのを諦める訳じゃねぇーーけどな!!!!」
「同意だねマッスラー。自分の限界なんて自分でも分からないものだ」
「私も同意ですわ!! まだまだ上を目指せると知れたのですし!!!」
「さっすが向上心が高いわね。あっ、言っておくけどラガスは一通りの武器は並み以上に使えるのよ。特に長剣の扱いに関しては結構レベル高いんじゃないかしら」
「「「・・・・・・」」」
ふふふ、やっぱりラガスは体術がメインのタイプだと今の戦いで思い込んじゃってたみたいね。
何度も戦闘に関してはオールマイティーにこなせるタイプだって説明したのに。
それに今回はサルネの戦闘スタイルに応えるように基本的には接近戦でしか戦っていないけど、エース的存在のアビリティは遠距離に特化した魔弾。
言ってしまえば今のラガスは得意分野ではない戦い方でサルネに勝とうとしてる。
いやぁーーーー、わが弟ながら本当に末恐ろしい!!!
「とても満足そうですね、クレアお嬢様」
「そりゃそうよ。自慢の弟があんなに楽しそうな顔をしてるんだから。ラガスにパートナーが出来たって知ったときはサルネを紹介したのは失敗したかなって思ったけど、あの表情を見る限りは問題無いわね!!」
「戦っている最中は問題無いかもしれませんが、戦いが終わった後はどうか解りませんよ。戦いの様子を見る限り、やはいラガス様の優勢には変わりありませんから」
「やっぱりスタミナの差は大きいか。戦いが終わった後に関しては……大丈夫、なんとかなるはずよ!」
「結局は本人達任せですか」
だってラガスが入学する前から紹介するって約束はしてたし、サルネがラガスの初めての相手でも全然構わないって思ってたもの。
でも、将来義妹になるかもしれないセルシアさんには確かに悪い事をしたわね。
結構ラガスの事を好いてくれているみたいだし。
あっ、サルネが本気の本気になった。そろそろ戦いが終わりそうね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます