王都程でなくとも

「王都もデカかったけど、この街もかなりデカいな」


「公爵家の方が治めている街なので、規模が大きいのは当然かと」


なるほど、公爵家が治めているなら納得の広さ、レベルの高さってところか。


「さて、驚くのも良いがまずは二人のエントリーを済ませる為に会場に向かうぞ」


俺はぶっちゃけ関係無いから街を散策していたいんだが、会場に行けばそれなりに良い情報が得られるかもしれないし付いて行くか。


「・・・・・・めんどくさそうな顔をしないですね」


「まぁ、正直面倒には感じている。ただそれでも会場に向かえば得られる情報もあると思うからな」


「・・・・・・なるほど、理に適っていますね。ところでラガス坊ちゃま、一つ質問があるのですがよろしいでしょうか?」


このタイミングで質問か。別に構いわしないが珍しいな。


「良いけど、答えられるかは分からないぞ」


「構いません。ラガス坊ちゃまは面倒事を解決する際、力尽くで解決するのか、頭を使って解決するのか、どちらを実行するのですか?」


さっきの俺の言葉でそういう質問をしようって考えになったのか。

力尽くか頭を使った解決方法かぁ・・・・・・現状では後者の解決方法は無理に等しいんだよな。


腹芸が得意って訳じゃなく、そういう事に関して頭の回転が速い訳じゃない。


「前者の方が今のところ得意だろうな。でも、後者は今後の頑張りしだいである程度出来る様になるかもしれない。けど二つの解決方法の内、どちらを実行するのはやっぱりその時の状況によるだろ」


「・・・・・・そうですか。私が力になれる時はいつでも頼ってくださいね」


「ああ、困った時は頼らせて貰うよ」


何となくだけど、メリルには迷惑を掛ける事が多くなる気がするんだよな。








「ここが受付会場で、一週間後アリクとクレアが戦う場所だ」


コロッセオとは少し違うな。外装はしっかりしてるというか・・・・・・貴族達が見に来る用の闘技場って感じか。


「それじゃあ二人は俺に着いて来てくれ」


「「はい」」


・・・・・・さて、大会にエントリーするのにそう時間は掛からないとだろうから、今の内に見とくか。


貴族の大会に出て来るような奴らだ、子供とはいえくだらない結果を見せるような奴らはいない筈だ。

まぁ、中にはボンクラもいるかもしれないが・・・・・・それでも収穫はありそうだ。


あの赤髪の人結構強そうだな。見た感じ線はそこまで太くないけど魔法が専門って訳じゃ無さそうだな。

剣か槍、短剣を使うのかもしれない。


あっち茶髪の人、見るからに魔法使いって感じだ。

見た目で判断するのは良くない事なんだろうけど、接近戦は大して出来無さそうだ。


・・・・・・なんか典型的なロール髪のお嬢様がいる。

腰に鞭を装備してるし、そういうのがご趣味なドSなのか? 


あと強そうな人は・・・・・・あれ、あの人ってこの前のパーティーであった人、だよな?

名前は・・・・・・セルシア・ロウレットだったか。

こっちを見ている様な気がするが、気のせいだよな?


「ラガス坊ちゃま、こちらを見ている令嬢がいますが、お知合いですか?」


「俺は向こうの事を知っているが、向こうは俺の事を知らない筈だ。精々パーティーで顔を見た事があるかもしれないって程度」


「・・・・・・それにしては随分とこちらを見ていますが、本当にあちらの方はラガス坊ちゃまの事を殆ど知らないのですか?」


の筈なんだけどなぁ・・・・・・あっ、家族に手を引かれてどっか行った。

まさか父さんの言う通り、あの人が俺のパートナーなのか?


だとしたら本当に勘弁してくれって話だ。

こっちが何もしていなくても面倒事がやって来るだろ絶対に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る