しょうがないな
「・・・・・・おい、なんでそういう結論に至るんだよ」
一度決闘したあの日から俺はアリクと戦っていないし、アリクの訓練する姿も見ていない。
だからアリクがどれほど強くなったかなんてわからない。
ただ、それでも一対一で戦って負けるとは思わない。
こいつに考えて戦うなんて事は無理そうだしな・・・・・・年齢差で起こる身長差を考えても負けない筈だ。
「いいから俺と勝負しやがれ!!!! もう俺は、お前に負けない。負けてない筈だ!! 俺の方が実力は上だ!!!」
アリクが俺に大声で睨みつけながら、俺を超えた宣言をしてくるんだが・・・・・・正直言ってその自身がどこから出て来るのか全くもって分からない。いや、理解出来ないの方が正しいか。
鑑定っていう相手の習得したアビリティや状態、武器や道具の価値や能力を調べる事が出来るを俺は持っていない。
でも、アリクが持っていて俺が持っていないっていうアビリティは無いと思うんだよな。
まぁ・・・・・・仮にそんなアビリティがあったところで魔弾のアビリティがあればそれだけで勝てるだろう。
レベルが上がるごとに得られる性能がどんどん汎用性が広がっているからな。
「アリク・・・・・・一年前にラガスに何も出来ずに睾丸を叩き付けられて、最後にお漏らしする程の威圧? を貰ってやられたばかりじゃない。あれからあんたが真面目に訓練してるのかもしれないけど、ラガスだって真剣に訓練に取り組んでいるのよ。私は一年前の結果がそう簡単に覆るとは思えないは」
・・・・・・いや、クレア姉さん。確かにその通りかもしれませんよ。その言葉はかなり正しいと俺は思いますよ。
ただですね、睾丸を叩き付けられた事はまだしも威圧を喰らってお漏らしをしてしまったは言わない方が良かったんじゃないですか? ほら、アリクの名誉的な為に。
父さんは思い出し笑いしてるし、ウォッツさんは吹き出しながら大笑い。
「はっはっはっはっはっは!!!中々派手な倒し方じゃないかラガス!! はっはっはっはっはっは!!! いやーーーーー腹が痛い!!」
なら笑うなよと思ったんだが言葉には出さない。自分の腹を叩きながら笑い続けているよ。
アリクは・・・・・・あちゃーーー。ほらクレア姉さん、羞恥心で顔真っ赤になってるよ。
「黙れクレア!!! 余計な事を言うんじゃない!!! 今戦えば俺が絶対に勝つんだ!!!!」
「その訳分からない自信はどこから溢れ出て来るんだよ・・・・・・勉強嫌いになり過ぎて頭が可笑しくなったか?」
父さんと母さんから雷を落とされた時から授業は一応受けている様だけど、真面目には勉強してはいないみたいだからな。こいつが自主学習してるところとか見た事無いし。
サーラさんはアリクが授業を受けてくれるようになったって喜んでいるみたいだけど、サーラさんが教えた事はこいつの頭に殆ど入っていない気がするな・・・・・・まぁそこは俺の知った事ではないか。
ここで俺はこいつと戦う意味も義理も無いが・・・・・・了承しないと後々面倒な事に気がする。
「でも・・・・・・受けてやって良いぞ。ただし、俺が戦いに勝てばお前は明日のパーティーに出席せず宿で留守番な」
「はぁ!!!!???? ちょっとまて、なんでそうなるんだ!!!! 俺は絶対に明日のパーティーに出るんだ!!!!」
「なぁ、前にも似たような事言わなかったか? お前が俺に戦いを申し込むのはお前の自己欲求を満たす為。それに対して俺はお前と決闘したところで特に得る物は無い。ウォッツさんに武器を貰ったし俺が今欲しい物は無い。だからお前は俺に負ければ罰として明日のパーティーに出席しない。内容としては十分じゃないかな父さん?」
確認を取るために父さんに話を振ると、数秒程悩むが直ぐに頷いてくれた。
「そういった内容であれば戦っても良いぞ。ただ場所がな・・・・・・」
「それなら俺んとこの庭でやればいい。子供が戦うには十分な広さだ」
さて、逃げ道は塞いだぞアリク。今更やっぱなしでとは言わねぇよな。
「・・・・・・分かったよ。その条件で戦ったやるよ」
「バカ、なんであんたがそんな上から目線なのよ!! 普通はあんたがラガスに感謝するところなのよ!!!!」
全くもってクレア姉さんの言う通りだ。
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