213.アキラ、魚を刺す。

 気絶した彼女らは、顔を真っ赤にしていたが、全員清々しいほどの満面の笑みであった。これには、思わず精霊さんも、




「若気の至りですね・・・。」




と呆れた様子であった。




服を着替え、気絶した彼女らが回復するのを待つ。その間、何もすることがないので、魚でも獲ろうかと考える。




まず、真っ直ぐな丁度いい太さの木を切って、先を尖らせれば、即席の槍が完成する。




あとは、持ち前のH(Hunter)の異能に頼りながら、獲っていこう。静かにゆっくりと川の中へ入っていく。




そうして、適当な場所でその場に待機する。初めの頃は、なにもやって来なかったが、段々と僕が動かないと分かり始めると、近くに魚が寄り始める。




その瞬間、槍を勢いよく魚に向けて、刺す!! 




『バッシャーン!! 』




と水が音を立てる。そうして、槍の先にはいいサイズの川魚が刺さっていた。それから、待っては刺すを繰り返して5匹ほど獲った頃には、皆が目を覚まし始めていた。




このぐらいにして、川岸に戻ると皆が、僕をじっと見つめてポッと赤くなる。ちっ・・・、どうやらあの時の記憶は、全員はっきりと覚えているらしい。




 そうして、家に帰宅すると、ウサギの方は女性陣に調理してもらう。一方の僕は、魚の内臓を取り出して、枝を突き刺して焼いていく。




『ジリジリジリジリ。』




と魚の焼けていく音が、聞こえてくる。いい焦げ目がついたら、はい、川魚の素焼きの完成! 




今日の料理は、豪華に肉料理と魚料理、それと野菜のスープ! 




皆で、食卓を囲み食べ始める。肉料理で、ウサギとイノシシの肉の食感の違いを楽しみつつ、野菜スープを間に挟む。




ああ、幸せ。そんな感想が出る。そして、食事を終えるって、僕は、ハチと戯れながらくつろぐ。一方の女性陣は談笑しながら、時折こちらをチラチラと見てはポっと赤くなる。




こちらが、気にしたら負けだと思い、平常心を装いながら過ごしていると、テラがこちらに寄ってくる。




「アキラさん、きょ、きょ、今日はお疲れでしょうから、肩揉みしますよ。」




と言ってくる。




「おh・・・」




これはまさかの展開になってきたぞ・・・。と思いながら、その申し出を断るわけにもいかず、お願いする。




他の女性陣も先手を取られたという、表情をしながらこちらを見ている。




そうして、肩を揉んでもらう。嗚呼、テラさん力よわぁ!! と思いながら、その厚意を受ける僕であった。




ここからさらに行為が、エスカレートしていくのをこの時の僕は知らなかったのである。


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