126.アキラ、調べる。

 城に戻った僕たちは、待機していた皆にこのことを報告した。




皆、この仮説があっているかどうか深く考えてくれる。そして、この仮説は正しいと全会一致で可決する。




「竜の月の終わりに行われる集会はあの場所で決まりですね。」




そう確信気味にアルテシアが言う。確かに、あの仮面の奴らが集まり怪しい動きをしていたので、そうだと思うが、当日まで中の構造を把握できないのは、まずいと考えて、




「イリス、あの建造物の詳しい資料とかないかな?」




そうイリスに言うと、彼女は、




「少し時間をくださいな。」




と言って、カルラさんたちと一緒に、部屋を出て行くのであった。しばらくした後、大きな資料を持って部屋に入ってくると、皆を集めて地図を開く。




それは、旧市街地の古い地図であった。そして、イリスたちがあの場所を地図上で探し始める。私も、古い地図から見てハンターセンスで感じた地形と同じ場所を探す。




段々と場所が絞り込めてくる。そして、ある場所が合致する。




「メルカポレ地下宮殿・・・。」




そうイリスが呟く。




 そして、イリスが皆を連れて城内を案内する。連れてかれた場所は、城内に隣接された大書庫であった。




「皆さんにも、あの場所について一緒に書物を探してもらいます。」




そう言って、役割分担を発表する。まず、字が読める、イリス、アルテシア、ミユは本を読んで、メルカポレ地下宮殿と言う単語を探す係。




字が読めない僕、テラ、まゆきは、古い街並みの風景を描いた絵から、それらしき絵を探す係に任命された。




情報漏洩防止のため、カルラさんたち信用できる従者たちは大書庫の封鎖に回ってもらった。




そして、作業は夜通し行われる。皆、真剣に探すがなかなか見つからない。朝方、皆の疲労が限界に達した時、テラがそれらしき絵を見つけたと僕に報告する。




「アキラさん、これなんてどうでしょうか?」




疲れ気味に、絵を提示するテラ、その絵をよく見る。水面から、いくつもの柱がそびえ立ち天井を支えている絵であった。




そして、裏には文字が書かれている。それを字が読めるアルテシアに見せると、




「メル・・カポレ・・・!!ありましたわ!!メルカポレですわ。」




その言葉に皆が集まってくる。そして、詳しい調べると、今からおよそ百年前にこの遺跡を当時の王国建築省が調べたものとわかる。




すぐに、100年前の王国建築省の書物を読み漁ると、その時の詳しい記事が出てくるのであった。

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