104.アキラ、むずがゆい。
とんでもないことを知ってしまった。まさか、血を調べてそれを操ろうとしている組織があるとは、思いもしなかった。テラたちを家の中に呼ぶ。皆の顔が少し怖がっていることに気がつく。
「悲鳴が聞こえた様だけど、大丈夫だよ。ね!この通り!!和解完了!!」
そう言って、ミユの肩を握る。すると、悦に浸った顔で僕に寄り添うミユの姿がそこにはあった。
「はい、ご主人様・・。」
さすがに、これを見た皆の様子は、
「「「「えぇ・・・。」」」」
当然の如く、血の気が引いたような顔であった。その誤解は解けないものとこの時、理解するのであった。知っている限りの情報をテラたちに伝える。
「というか、皆、眠くないか?もう僕、寝たいのですが。」
その言葉に皆が全会一致で賛成する。ミユは申し訳なさそうな顔をする。
「あとで、お仕置きな。」
ボソっと告げると、ミユは嬉しそうな反応をする。お仕置きって放置プレイなんだけどねと心の中でそう思う。そして、次の一手は明日考えることにするのであった。
ミユの拘束を解く。ミユはキョトンとした顔をして、こちらを見る。
「逃げるとは、思われないのですか?」
その言葉は、もっともだと思うが、
「ミユは根はいい子そうだし、絶対逃げないというより逃がさないから、安心して今日は僕の横で寝な。」
とかっこよく決める。絶対逃がさないとは、ハンターセンス君がいつでも君を見張っているということだが、それを知らないミユは紅潮して、モジモジし始める。
「こ、こんなかっこいい人から、絶対逃げません。」
そうボソっと言うのであった。こいつドMでちょろいなぁ~と思うアキラなのであった。その後、ミユを連れて、外のシェルターに移動する。そして、ミユは僕と添い寝することになる。
「ご主人様と、一緒に寝れるなんて、光栄です。」
とつい先ほどまで、血を取ろうとしていたものとは、思えない発言をするなと思いつつも、根はいい子だからしょうがないと勝手に納得してしまう。
ミユは拷問の疲れから横になって、すぐに寝息を立てて寝てしまう。そんな彼女の寝顔は見惚れるほど、美しいものであった。
翌朝、いつもとは違う屋根に少し、驚く。きったねぇ屋根だなと思いつつも、自分が建てた家だということに気付く。隣には、知り合ったばかりのミユが寝ていた。起こさないように、慎重に起きるが、物音でミユが起きてしまう。
「ふぁああ、おはようございます。ご主人様。」
どうやら、その呼び名はもう確定であることに、この時の僕は少し身体がむずがゆく感じるのであった。
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