一番素敵な対策

勝利だギューちゃん

第1話

ここは、とある王国。


気候は日本に近い。

よって、この国の人たちも、連日の猛暑で苦しんでいた。


エアコンもあるのだが、既に焼け石に水。

でも、働かなくては生きていけないが、この猛暑では、死んでしまう。


ここの王様は、明君で国民に何とか暑さを乗り切ってもらおうと考えていた。


「王様、何かいい方法は見つかりましたか?」

大臣が尋ねる。


「そうは、言っても自然には逆らえん」

「いかがでしょう?どこか避暑にまいられては?」

「国民を置いて、世だけ逃げるわけには行くまい」


王様は、バルコニーにでて、少し考えた。


「そうじゃ、大臣、国民の皆におふれをだせ」

「どのような、おふれで・・・」


王様は、大臣に耳打ちした。


「王様、それは真ですか?」

「世は本気じゃ」

「して、その心は?」

「心頭滅却すれば、火もまた涼し・・・」

「承知いたしました」


こうして、王様のお触れが、国民に広まった。


最初はざわついていた国民も、やがて王様の真の意味を理解した。

そして、城へと集まった。


王様から、国民への言葉があった。


「皆のもの、よく参られた。

この暑さでは、もともこうもないでろう。

よって、親父ギャグ大会をやる」


親父ギャグ。

とても寒くなる。

なので、この猛暑には、もってこいかもしれない。


「むかいの空き地に囲いが出来た。へい」

「この絵はいい絵ですか?いいえ」

「屋根がおちた。やーね」

「ふとんがふっとんだ」

「いたまえさん、そこにいいまえ」


どこかで、聞いた様ではあるが、それぞれが、親父ギャグを言い合った。

親父ギャグ・・・

本来は、効果なんて期待できない。


でも、気持ちの持ち方次第で、どうにでもなることもある。


気分の問題ではあるが、皆、涼しくなったようだ。


「王様、国民には、何を差し上げましょう」

「何もやらん」

「そこ心は?」


【国民が団結したであろう。それが報酬じゃ。まさしく夏のおかげサマーじゃな】

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一番素敵な対策 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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