第2話 回道湊について。
真実に助けられた俺は、近くのラーメン屋に連れてこられた。
俺、回道湊は
家では虐待を受け、学校ではイジメられている。絵に描いたように不幸な高校1年生だ。
普通の子どもが受けるような扱いを親から受けていないせいで学校というコミュニティには馴染めず、友達と呼べるものはほとんどいない。
特に得意なことも好きなこともない。
そんな俺に興味を持つ変わり者がいた。
それは横でラーメンをすする、一条真実だ。
真実の父は俺が飛び降りようとしたビルに入っている会社の社長だ。
つまり真実は俗に言うセレブだった。
親から愛され、見た目もよく、クラスの人気者。そんな順風満帆な人生を送っている真実が俺を気にかけていることが、俺には気に食わなかった。きっと、哀れみや同情心から俺を気にかけているのだろう。だから、真実といると自分が惨めでしょうがなかった。
それでも、俺に生まれて初めて興味を持ってくれた真実を拒絶することができなかった。
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