カクヨム作品タイトルだけで「三匹のこぶた」

ちびまるフォイ

タイトルだけで充分おもしろい

むかしむかし、あるところに、三匹のこぶたがいました。


お母さんぶたは三匹のニートの甲斐性なしをいい加減に自活させるべく

社会という名の未踏の大地へと放り出しました。


3匹のこぶたはそれぞれコメントしました。


「セックスしてる奴らなんて皆死ねばいいのに。」


と、三男ぶたは地球上からの種族根絶を宣言。


「毒こども!~毒親からの脱出~」


と、次男ぶたはこの勘当を前向きに捉えることにし、


「ブラック勤務は辛いけど、配達先の幼女が癒し系すぎるっ!」


と長男ぶたはブラック会社への就職を心に決めました。

さて、ここで出てきた配達先というのは人間界で言うオオカミのこと。


オオカミは美味しそうなぶたがノコノコと野原に出てきたものですから、


「ここは楽しいケモケモランド!~悲しき愛の弱肉強食編~」


ということで、社会ケモケモランドの弱肉強食をその身で教育させるべく襲いかかりました。

しかしアプリのマップで見たときよりも、思ったより距離があり、こぶたたちは慌てて家を作ることに。


「助けてくれ! ヤンデレとメンヘラに迫られてるんだ!」


と、長男ぶたはわらの家を作り、ヤンデレとメンヘラと住むことに。

オオカミがやってくるとしっかり閉じられている戸の前で声をかけました。


「扉を開けて」


と、雪の女王が出てきそうなねっとりした声で話しかけると

家の中からは長男ぶたが答えました。


「緑の蝶が友人の声で遊びに誘ってきたんだけど、無視しちゃダメな奴かな……?」


どうやらオオカミを緑の蝶と誤解しているようです。


「扉を開けたら」


とふたたびオオカミ。

なにか言葉の活用形でしょうか。


「私を求める行為は、ダメと判断します!!」


部屋の中でナニが行われたのかぶたは長男(♀)になりました。

オオカミは畳みかけます。


「ちょっと扉開けて現実世界行ってみた」

「小鳥遊はルールに従わない」


異世界への甘い誘惑ですら長男ぶた(小鳥遊)は開けようとしないので

オオカミは大きく息を吸うとわらの家を吹き飛ばしてしまいました。


長男ぶたは慌てて同じ団地の次男ぶたの家に助けを求めました。


「涙まみれのこの異世界転生に救いはないんですか!?」


おそらく泣いていたのであろう長男ぶたを次男ぶたは家に入れると戸をしめました。


「ミルフィーユの隙間にようこそ」


と、次男ぶたは長男ぶたを安心させました。

追いついたオオカミでしたが逃げ込まれた先の木の家に面食らいました。


「ネガティブなJKは玉砕覚悟で毎日と告白」


オオカミ(JK)は木の家を息で吹き飛ばそうとしました。

しっかり組まれた木の家はびくともしません。


「聖女様よ、頼むから消えてくれ」


「クソ!我慢の限界だ!!」


聖女とまで言われたオオカミは男の尊厳を傷つけられたとして、

怒りのタックルを木の家にぶちかますと、木の家はバラバラと崩れてしまいました。


長男ぶたと次男ぶたは慌てて逃げ出しました。


「今から殺されます」


と助けを求めると三男ぶたはすぐに家に2匹を入れました。


「扉の向こうは不思議な世界?」


と、2匹に訪ねました。

レンガの家の安心感からか

まだこの危機的状況をわかっていないようです。


「群馬の魔王城 ~この先危険につき関係者以外立入禁止~」


おそらくここは群馬県なのでしょう。

長男はけして戸を開けてはいけないと群馬県の恐ろしさを熱弁します。


まもなく追いついたオオカミがやってきました。


「私は大きく息を吸い込んだ。」


オオカミは息を大きく吸い込んで息を吐きました。

レンガの家はびくともしません。


「人喰いのカルマ ~悪霊に憑りつかれた俺は、君を食べても許されますか?~」


オオカミは悪霊に憑りつかれたという設定を語り始めて戸を開けるように説得します。


「許嫁が幼女はさすがに無理があります」


三男ぶたは完全なる拒否。

二匹の会話が噛み合わないのは種族間の問題なのでしょうがないのです。


「異世界序列のシムワールド ~玄関開けたら2分で半壊……しょうがないから最下位から成り上がる~」


玄関を開けてくれないのでオオカミは体当たり。

木の家を半壊させた自慢のタックルも頑丈なレンガには効果がありません。

これにはさすがのオオカミもお手上げです。


「もしも俺が猿だったら。」


オオカミは自分が猿だったらとレンガの家を見上げたとき、

屋根にはオオカミがゆうゆう通れるだろう煙突が見えました。


「僕だってチートがあれば苦労なんてしていない」


とオオカミは現実の厳しさをかみしめながら屋根に登りました。

煙突を介して一気に家の中に入る算段のようです。


「慟哭の時」


オオカミはこぶたの慟哭を聞くべく煙突を滑り降りました。

しかし、煙突のつながっている先の暖炉には火がくべられていました。


「マジ愛☆ヤバイんですけど」


あまりの恐怖で急にギャルっぽくなったオオカミは、お尻に火が付き飛び跳ねました。

なんとか火を消す頃には疲弊してすっかり観念しました。


「三十路なのに魔法少女とかもう許してくれよ!」


オオカミは必死に謝り倒しました。


「ゆびきりげんまん」


ぶたたちはもう悪さしないようにオオカミに約束させました。

はたしてぶたに指があるのかどうなのかを考えた人は心が穢れています。


「輪廻転生~後悔~」


とオオカミは次の人生はこの後悔を糧にまともに生きることを決めました。

それを見送ったこぶたたちはレンガの家で仲良く暮らしました。



めでたしめでたし

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