謝ることの意味

ちりめんじゃこ

第1話

「ごめんな…。」「こっちこそごめん…。」




俺達2人は幼なじみで、同じ高校に通っている普通の男子高校生。見かけは。

実際は2人ともいわゆる超能力者ってやつだ。2人揃えばなんでも自分たちの思ったように世界を変えられる能力を持っている。でも特に能力が無くても困ることはないから、2人とも子供の頃に遊び程度でしか使ったことはない。


その能力がいずれ世界を大きく変えてしまうことを俺達はまだ知らなかった______。



「おはよっ、かける!」

「おぅ、さとし。」

「ったく、相変わらず返事が冷てぇなぁ、駆は。そんなんじゃ女の子にモテないよーだ。」

「お前には関係ないだろ。」

今日も俺達はいつも通りくだらない会話をしながら学校に向かっていた。


キーンコーンカーンコーン______


「やっと午前の授業終わったよ、長かった〜」

「別にいつも通りだろ。」

「はいはい、そうですね。もうさっさと屋上行って飯食おうぜ。」

「あぁ。」


「なぁ、ちょっといいこと思いついちゃったんだけど…!」

「なんだ、そのいいことって。」

「なんかさぁ、大人ってすぐ謝るじゃん、悪いことした訳でもないのに。俺らも大人になったらそうなっちゃうのかなと思って。だから、俺達の能力で、"謝ったら自分の大事なものが1つずつなくなる"世界にしたら謝んなくて済むじゃん、どう?」

「お前でもそんないいこと思いつくんだな、テストはいつも最下位のくせに。よし、乗った。早速やろうぜ。」



2人はいとも簡単に"謝ったら自分の大事なものが1つずつなくなる"世界を作り上げてしまった。

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