百合短編集

時雨パーカー

魔法人形の少女と医療兵の少女

魔法人形と医療兵の少女(1/3)

灰色の雨雲、降り注ぐ無数の雫が降り注ぎ地面にたたきつけられる音で少女は目を開ける。

気がつけばその少女は戦場の中心で武器を両手に抱え立ち尽くしていた。

辺りに漂うのは血の匂いと硝煙の匂いだった。

辺りを見回すと地面にあるのは流れゆく血だまりとその上に

倒れた彼女の仲間たちだった物。

それを黙ったまま少女は見つめていた。

そしてそんな中少女のつけている耳からザザッーという

ノイズの音と共に声が聞こえてくる。


「こ・・・は・・・・・ほ・・・ぶ・・・・ある」


それは酷くノイズの混ざった声だった。

少女はゆっくりとした動きで通信機に手を当てると

通信機越しに話しかけた。


「本部、応答してください」

「こち・・・・んぶ・・所・・く・・・たいと・・・名前を・・・」

「ノイズにより聞こえずらいですのでもう一度お願いします」

「こちら本部、貴殿の所属する部隊名と隊員名を答えよ」

「所属している部隊は第四部隊、名前はシラヌイです。」

「了解、第四部隊に貴殿以外の生き残りは?」

「周囲を確認しましたが6人のうち4人の死体は確認できました。」

「了解、周囲を捜索し見つけた場合報告せよ」

「了解、探索を開始します」


というとシラヌイは通信を切ると地面にしゃがみ込んで調べ始めた。

地面は雨のせいでぬかるんでおり足跡が残っている可能性があるからだ。

そしてシラヌイの予想通り地面には二つの足跡が残されていた。


(靴の種類からの該当隊員を検索・・・エラー、追跡を開始します)


シラヌイは立ち上がると足跡を追い走り出した。

シラヌイがしばらく走ると前方の方から、銃撃の音が響いてきた。

シラヌイはすぐさま建物の残骸に隠れそこから覗き込むと

そこには敵兵に囲まれた仲間の姿があった。


「本部、こちら第四部隊シラヌイ。隊員二名が敵部隊に囲まれています」

「了解した、では今すぐに支援部隊を・・・」

「その必要はありません、今から敵部隊を殲滅しますので

迎えをお願いします。」


というなりシラヌイは通信を切りすぐさま駆け出す。

そして音に気づいた兵士が振り向く前にシラヌイは

腰に差している刀を抜きそのままその兵士の首を切り落とした。

するとそれに気づいた敵兵が一斉にシラヌイに向かって魔法を放つ。

シラヌイはそれを跳躍して躱すとすぐさま刀を仕舞い弓を構え

魔力の籠った弓を一斉に掃射した。

それだけで敵兵のいくらかは倒れるが残りの兵士は全員武器を構え

シラヌイが地面に着地すると同時に切りかかった。

しかし、シラヌイはすぐさま両手に刀を逆手で持つと

左右から迫ってきていた兵士の体を下からの切り上げで真っ二つにし

そのまま前から迫っていた兵士に向かって振り下ろすが

兵士はそれをナイフで受け止めようとする。

しかしそのナイフをシラヌイの刀はバターを

スライスするかのように切り裂きそのまま敵兵の腕を切り裂いた。

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