ヒトへ

ハラシマツユメ

第1話 はじめに


僕の名前はフレデリックです。変な砂の国に住むバケモノです。

バケモノは、ヒトではありません。だけども僕は、ヒトという生き物に興味があります。


ヒトはとんでもない生き物です。彼らの知能は、何処までも何処までも進化し続けます。

それで最初、僕は彼らにとても関心しました。

しかし彼らの研究を続けて行けば行くほどに、いつしか失望ばかりを見出すようになったのです。彼らがあまりに可哀想な生き物だと知ったのです。

それで書いたのが、このお手紙です。

ヒト様への、最初で最後のお手紙です。


僕がこれから書く話は、「いじめについて」です。

僕はいじめが楽しいと思った事など一度もありません。でも彼らの世界には、誰かをいじめることで快楽を覚え、人生の一時的な楽しみを見出しているヒトがいます。


ですから「いじめはこういう理由があってね。楽しいんです。みんなもやろう。」だなんて論が展開される訳ではないのです。


そこんとこは、安心しておいてください。

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