高校三年生③

 この辺りで私は担任のことが大嫌いになっていて、声をかけられないように怯える日々を過ごしていた。

 中央階段を上がったところに、センター試験までのカウントカレンダーや「まだスマホいじってるの?受験生じゃないんだね」と書いてある紙が貼ってある。担任は毎日の朝のSHRで

「センターまであと何日?」

 と尋ねてくる。それがプレッシャーだった。聞かれる訳では無い。でも、焦ることの出来ない私にはそれを聞いて周りが「やばい」という雰囲気になることさえ苦痛だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る