高校二年生③

 三学期にもなると、【自称進学校】だけあって、先生たちが

「『二年生の三学期』ではなく『三年生のゼロ学期』だと思って過ごすように」

 なんて訳の分からないことを押し付けるようになってきた。


 学校や授業は嫌だったが、演劇部のみんながいるから渋々学校に行っていた。

 この頃になると、人間関係の問題が発生し、私は人間不信になりかけた。口癖が「死にたい」になり、周りの人間も次第に気にしなくなっていった。


 そんな時期と被せてきたかのように【進路志望書】が迫り来る。行きたい学校はあったが、私の成績では到底及ばない。そんなことは分かっていたが、その大学でキャンパスライフを送る自分を夢見ずにはいられなかった。

 それでも、勉強のやる気は起きなかった。教科書を開くと私の体は後ろに倒れ、背もたれに寄りかかる。右手にはスマホ。

 危機感はあった。でも、勉強は捗らなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る