異世界無能力者の成り上がり
@kokorolink
第1話 中東で...
中東の某国。テロリストと反政府勢力と政府勢力が激しくぶつかる街 バミュード
度重なるテロや銃撃戦により建物は廃墟に近い状態にあるこの街にひとつの店があった。
その名は
「料理店 アレクサンドロス」。
一見傷だらけのボロ屋だが、
西洋料理やアラブ料理、日本料理を出す料理店でありこの辺で最も安いお店だ。
このお店の台所で料理をしている、肌黒い40過ぎのおっさん、安田 照男はこの店の店長だ。
ここに店を構えて20年。厨房にはいつも愛用の小銃 s-carが置いてある。ここに小銃が置いてある理由は、この街の治安が悪すぎるからだ。
この街の治安の悪さは日本とは比べ物にならない。外出する時は小銃をいつも携帯しないと身ぐるみを剥がれる可能性が高いからだ。
そんな危険な街に来た理由は、ここに旅行しに来た時ご飯がとても不味く、逆にご飯を振舞った際、住民が涙を流しながら「美味しい美味しい」と言ってくれたのだ。
この時の俺は、日本で店の経営に失敗し自分探しの旅をしていたのだ。だからだろうか、自分の作った料理を美味しいと言って貰えるだけで嬉しいなんて感じたのは初めてでありこの街で店を開こうと決意した瞬間でもあった。
店を出してみると色んな客に出会った。
米軍や政府関係者。中には反政府勢力の人やテロ組織の幹部がいた事もあった。さらには政府軍の幹部と反政府勢力の組織の幹部がこの店で鉢合わせして銃撃戦になりかけたのはいい思い出である。なお銃撃戦が起きるまえに俺が2人に向けて銃を構え「銃撃戦をやるなら外でやれ」なんて言ったらこの2人は銃を下げて別々で酒を飲み始めた。しばらくしたら酔いが回ったのかこの2人仲良くなったものだ。
こういう事もあれば、テロ組織によって店が半壊した事もあった。
色々あって今日も一日料理を作っていたら、店に1人の少年が入ってきた。
その少年は黒いターバンを巻いており右頬に傷跡があった。
「侵略者共め、よくもかあさんととおさんを殺したな。この害虫が!」
突如叫び出し来ていたジャケットを投げ捨てた。なんとジャケットの下には大量の爆弾が仕掛けておりさらにその起爆装置らしきもののピンを引っこ抜いたのだ。
この少年は恐らくテロリストであり、父と母を政府軍か米軍か反政府勢力か?もしくは両方かに殺されたのだろう。その仇討ちの為に自爆テロをしたのだろうが俺とは関係ない。なんて言える時間も無く俺は銃を持って伏せようとした。だが間に合わず爆発をモロに食らってしまい気がつくと胸に飛んできたであろう木片が刺さっていた。
むちゃくちゃ痛い。さらに寒い。今日の気温は36度くらいあるはずだぞ。
胸から流れる血が止まらない。それに呼吸もだんだん出来なくなってきた。
これはもう終わりだな。
あぁ、手足の感覚が無くなってきた。それに目も開けられなくなって、いし、き、が、なくな.....
こうして安田照男 42歳はテロに巻き込まれ中東で死んだのであった。
「んん、なんだ?目が開く。それに呼吸もできるぞ。さっきのは夢?」
俺は目が覚めて起き上がるとそこは森の中だった。
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