初恋
かつて初恋というものがありまして
その想い出はキラキラのピンク色の雲のような処にありまして
美しくて、尊くて、
その実 とても残酷で、儚くて、
蛹の腹を開いた時の
オフホワイトの粘ついた液体のような
ナニカに成り損なったまま
叶わぬものだと知っていて
何度も偏見にあいまして
大切に胸にしまっておいたのに
私を忘れてくれるなと、
夢に出てくるものでして
あなたに愛された未来を瞼に
幾度もシーツを汚すのです
あぁあなたと
ドロリと溶けてまぐわいたい
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