人格達の宴

蠍ト鷹

物語の始まり

第1話(改訂4回)

俺は[明塔 操めいとう みさお]17歳の高校3年生だ。

俺は高校1年の時いじめられていた、それが原因で解離性同一性障害になったのだ。

今現在俺自身を含めて4人の人格がこの1つの体におさまっている状態だ。

色々不便だろって?いや全然むしろこっちのほうがラク。

不幸から生まれた人格達がいい奴らだから話し合いで解決する。

話し合うときはスマホでカバーしないと変な奴と思われるけどな。

ちなみに今は登校中である。


「暇だしアイツ等のこと再確認するか」


俺は懐の手帳を取り出した。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


第一副人格

○名前[ナイト]

○年齢[16歳]

○性別[男性]

○性格[冷静沈着、怒らせるな危険、敵に対して無慈悲]

○備考[1番最初に生まれた副人格]

   [この人格と交代すると筋肉の質が変わり164.7cmの身長が220.7cmになる]

   [無論上記に伴って体重も増える]

   [戦闘と肉体を使った仕事担当]


第二副人格

○名前[ピエロ]

○年齢[17歳]

○性別[男性]

○性格[楽観的、いつもニコニコポーカーフェイス、敵に対して容赦なし]

○備考[2番目に生まれた副人格]

   [この人格と交代すると左の瞳の色が黄金色に変色する]

   [手品が得意]

   [ロリコンでショタコンの変態、容疑者ピエロは容疑を認めている]

   [相手の嘘がわかる]

   [交渉などを担当]


第三副人格

○名前[ハッカー]

○年齢[17歳]

○性別[男性]

○性格[真面目、コミュ障、敵は殲滅慈悲は無い]

○備考[3番目に生まれた副人格]

   [この人格と交代すると右の瞳の色が白銀色に変色する]

   [IQテストで187を叩き出した天才]

   [情報収集、ハッキング、プログラム、学問系の担当]


― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


「こんなもんか」


俺の正直な感想は、敵に対して容赦しないなホント…


ナ(おい、いま何してんだ)


おっとどうやらナイトが起きたようだ。

スマホスマホっと…


「学校に登校中だよ」

ナ(そうか分かった、ピエロとハッカー起こしてくる)

「あいよーよろしく」


俺はスマホをしまって、校門をくぐりぬけた。

教室は4階だから疲れるんだよな~まあ行くしかないけど。


「おはよう」

「ん?あぁおはよう」


俺に声をかけてきた奴は、2年生2学期に引っ越してきた親友の[石倉 明人いしくら あきと]だ。

ここで1つ言っておくが、イジメは自力解決だ。

学校側はダメだねホントに、両親は知っていて何回も学校に訴えていたよ。

まぁ俺が‘解離性同一性障害’になっていること俺以外だれも知らないけど…

解決法は脅しと暴力だよ、ナイト達が勝手にやったから俺は知らんけど。

いじめてきた奴らは俺と出会うと、気絶か逃げるか自主的にパシリになる。


「なぁ、メット…俺の友達がさ、お前と関わるなって言ってくるんだけどさなんでなん」


メットは俺のあだ名だ。


「さぁなんでだろうね、分からないな」

「なんでなんだろうな?」


キーンコーンカーンコーン


「チャイムだ、それじゃあ後でな」

「おうわかった」


……んん?おかしいな

時計の針が高速で回ってやがる。いやぁ疲れてんのかな


ギーンゴーンガァーンゴォオン


「「「「えっ」」」」


何人かが濁った不愉快な金属音のチャイムに反応した。

開いていた窓扉が勝手に閉まる。


ピ(メットどうしたの!)


ピエロが話しかけてきた、動揺が大きくなったからだ。

人格なだけあって全員感情は大体把握できる。


「かっ、怪奇現象がおきた…」

ピ(はぁ…いやこの動揺ぶりは本物だね)


ピエロは最初嘘だろというため息を吐いたが、嘘はついていないと本人は分っているはずだ。


「念のためピエロかナイト交代して欲しい」

ピ(じゃあ僕が行くよいいかいナイト)

ナ(あぁいいぞ)


【交代】


ここからはピエロ様の出番だぜ…出番ですはい。

カラーコンタクトしているから瞳の事は気にしないでいいか。

僕は周りを用心深く探るがクラスメイトが10人まだ時間じゃあないのがあいまって少ないね。

…僕は席を立って教室の扉を確認する。


「勝手に閉まったんだったか」


グッ


「…開かない」


いや正確に言うなら動かない、開かないならガタガタ音を鳴らすはずだ。


「なんだと、本当か」


クラス委員の[竹田大翔たけだ ひろと]が声をあげて近づいてきた。


「本当だよ正確に言うなら微動だにしないよ、確認しなよ」

「失礼…本当だ。動かない」


キィィン


「「うわっ」」


床に魔法陣?が書き込まれていく。


「なになになに」

「きゃー」

「うわ」

「おい落ち着け」


うわー修羅場かしそうだなぁ


「おいメット」

「どうしたん、イッシ」

「…ちょくちょく性格変わるよなお前、じゃなくてこの状況何だと思う」

「さぁイッシはどうなん?」

「さぁ分からん…異世界に召喚されたりとか」

「あはは~あるわけないやん」

「そうだよな~」


「「あははははは…………まじかぁ」」


教室は光に飲み込まれた。

この日10人の高校生が消えたというニュースが取り上げられた。

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