わたくしは猫だ

@pipi1368

第1話

私は猫だ。耳が少しだけ変形している。目の色は水色で、ふさふさの白い毛に覆われている。うっすらと縞模様もある。私の自慢は長い尻尾と私の毎日の素晴らしい毛繕いにより保たれている綺麗さ、というところだろうか。


私は気づいたら巨大ショッピングセンターのペットショップにいた。あまりに暇なのでいつも流れているアナウンスはもう暗記している。ここには様々な特徴を持った猫達がいる。そして毎日沢山の人間が行き交っている。お察しの通りだが、私は結構長くここにいる。半年くらいだろうか。ここまで長いと流石に自尊心もボロボロになってきており、人間に媚を売る事すら億劫になってきている。


ある日、またいつものように人間が私を見たいと言ったらしく、私は眠かったが渋々係員に部屋から引っ張り出された。見てみると、その人間はどうやら若い女性のようだ。抱っこは嫌いだが営業のため仕方なく落ち着きを装っていた。その女性は係員と話をしていた。だが次の瞬間、私のおっぱいを触って「これは害虫ですか?」と言いだしたのである。なんて奴だと思った。初対面のお猫のおっぱいを容赦なく触り、そのうえ病猫扱いするなんて世相のない。。ああ恥ずかしい。いくら営業とはいえ許せぬ。私は立派な猫様だ。

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