人生やり直し？ってワケじゃないけど。～異界の指輪で幸せになろう！～

第141話 ゴルフ（本選スタート）

　さぁ、いよいよやってきました！KMカントリー俱楽部。

　クラブを漢字に変更してみました。

　移動した昨日は、ホテルに直行して皆さん大人しく寝て貰った。（強制的に）

　ホテルでも大いに遣らかしてくれましたが、今回は割愛しましょう。

　しょっぱなから、カードキーだのエレベーターだのガラスがデカいしキレイだの受付のお姉さんが首輪してるから奴隷かな？だの‥‥それスカーフだから。

　もう大騒ぎ！スタッフ全員へとへとです。

　この後のバイキングが‥‥止めましょう。

　翌朝です。まだ薄暗いです。

　駐車場に全員集まっていますね。

　ちゃんと祖母ちゃんも来ています。神出鬼没で、メンドクサイと直ぐに居なくなっちゃう人ですが、今回は居ますね。

　この先は、倶楽部支配人の方に丸投げです！

　では、順番に倶楽部内に入って貰いましょう。

　ギャラリーはこっち！選手はこっち！と係員が誘導しているので、ちゃんと言う事聞いて下さいね！

　プレイヤーの方は、ローカールームに案内して、着替えて準備をしてもらう。

　道具は全て貸し出しにして、全員同じものを使って貰います。

　やっぱりゴルフも金かけて、良い道具を使った方が良いのか？分からんが、全員ゴルフを始めて1か月。本コースは全員初めてという人たちで行うゴルフ大会です。

　そう言ったら、支配人を始め、倶楽部スタッフ全員の顔が引きつっていた。

　ゴルフは４人１組で回るそうだ。

　そこでキャディさんはどうしますか？‥‥えっ？それはどうすれば良いの？

　ゴルフをするのに一緒に回り、世話役をしてくれる人？

　はい！是非！全組にキャディさんをお願いします。

　勝手に行かしたら、トンデモナイコト始めるだろう！！

　そして、時間の問題。

　基本的にスタートして、大体18ホール回るのに休憩入れて6時間くらいだそうだ。

　9ホール（ハーフと言うらしい）2時間15分位？で、移動時間と休憩時間を考えると6時間くらいになり、1ホール当たり15分計算なんだそうだ。

　ゴルフがそんな緻密な計算のもとに成り立ってるなんて知らなかったよ。

　んで、4人組が回る間隔が、10分離すのが良い？そうすると、朝6時から開始すると、1時間で５組、５時間で25組がスタート出来て、夕方5時には全員終了出来ると説明された。‥‥すげぇ！よく考えたね。

　まぁ、これは今回貸し切りの場合なので出来ると。一般は40～50組200人前後が回れる計算で、色々あるそうだ。季節によって日暮れが違うので一概には言えないみたいだしね。

　今回のゴルフツアー主催者及び責任者が俺なので、支配人とは俺が話します。

　何も知らない俺を見て、支配人の眼が、コイツ大丈夫か？と言っているが、知らないもんはしょうがない。

　余りにも無知すぎて、こういう企画は事前に相談して、多少は勉強しておいて下さいと、キツイ言葉で怒られてしまった。

　まぁ、素人なので素直に謝って、よろしくお願いしておいた。

　スタート前にプレイヤー‥‥選手ですね。を整列させて、周囲のギャラリーも整列させる。

「ではこれより、ルバン王国ゴルフ大会を開始いたします。先ずはルバン国王から開会の挨拶を頂戴します。」

　宰相が滑らかに開会を宣言した。

　次に国王の挨拶が始まったのだが、祖母ちゃんからの、

「手短にしな！」

　との命令が出たので、大汗を掻きながら簡単な挨拶を終えた。

　次に俺から挨拶と注意事項。

「皆さん、おはようございます。朝も暗いうちからお集まり頂き、ありがとうございます。カンダ農園内、KMカントリー倶楽部、オーナーで社長の神田真悟人です。」

　支配人の顔が盛大に引き攣った！

　さっき、俺に素人が云々と怒ってくれたので、言いたかったのさ。

「ここは管理された敷地ですが、多少の小動物や迷い込んでくる者が居るかも知れませんが、殺っちゃダメです！‥‥いいですか？殺っちゃダメですよ？

　周囲には戦隊の魔狼チームが回っています。見て見ない振りしましょう。

　4人組でコースを回ります。その際にキャディさんと言う方が案内してくれます。

　キャディちゃんって名前じゃありません。間違えない様に！それと、キャディさんには絶対服従です。大事な事なのでもう一度言います。絶対服従です。

　後、散々言ってるので分かってるでしょうが、"ピー"（魔法）厳禁です。

　発覚したら、分かってるよね？‥‥

　ここは、本コースでパー５のロングコースもあります。力一杯打ちたくなるでしょう？しかし、道具を壊したらペナルティです。2回で失格、3回で強制送還となります。皆さん道具は大事にしましょう。な？ボス？」

「は、はい！」

　周囲は笑えなかったようだ。

「今日から約３日、明後日の昼に終了です。その間に2ラウンド廻って下さい。合計の打数が一番少ない人が優勝です！　それと、選手の方がスムーズに廻れると、今日の午後からの時間であれば、コースが開いて来ます。空いたコースでは、ギャラリーからもプレイできる権利を上げましょう。」

「「「「「おおおおおおおおお！！」」」」」

「当然全員は回れません。同伴枠から1人だけ、プレイしてみて下さい。無理に廻らくても良いですよ？誰がやるかはそれぞれ相談して決めて下さい。後でクジで4人組を決めてもらいます。しかし、当然ですが、権利の譲渡売買は厳禁です。後は、ショートコースとパターゴルフコースもあるので、そちらは自由に楽しんで下さい。但し、揉め事は厳禁です。そんな人は戦隊の素晴らしさを知るでしょう。では、皆さんゴルフを楽しんで下さい！！」

「「「「「おおおおおおおおお！！」」」」」

　挨拶を終わって、全員１番ホールに移動中、支配人が謝りに来た。

「謝る事は無いですよ。貴方は間違ったことを言ってた訳じゃない。ただ、素人相手なんですから、もう少し言葉を選んで説明出来ると良いですね。そうじゃないと、前の支配人みたいになっちゃいますよ？」

　彼は青い顔をしていたが、決して悪い奴じゃない。

　今回、俺が無茶振りしすぎてテンパってただけなんだよね。

　今後も祖母ちゃんが直直来そうなんでよろしくお願いしますよ。

　因みに、祖母ちゃんを紹介して超超Vip待遇を頼んでおいた。

　何かの大会も行うみたいだからね。祖母ちゃんの良い笑顔頂きました。

　1番ホール、記念すべき第１打は、カトリーヌ王妃から。

　キャディさんと色々話をして、教わってる様だ。

　最初からいきなりパー５。５５４ヤードのロングコースでハンディキャップ３‥‥なんのこっちゃか分からんが、キャディさんが上手くやってくれるだろう。

　なんと！このゴルフ場はティアップの場所？ティグラウンドですか？そうですか。

　その打ち始めの場所が5か所選べるので距離が変えられるそうだ。今回は５種類あるうちの真ん中、標準の距離で行うのだが、本当は何か仕組みがある？黒ティとは青ティとはどうじゃらと有るらしいが、分からないので全員同じ場所から開始です。

　最初の１番ホールだと、黒ティだと６００ヤード超えになるが、赤ティだと４３６ヤード？随分違うよね。

　ボスとかアルファは黒の６００超えにした方が良いんじゃね？

　カトリーヌ王妃が打つ準備に入ったので、皆が静まる‥‥マナー良いよね。

　カッシュっと良い音がして、１番ウッドを振り切った！

「「「おおおーーー・・・」」」

　キャディさんが確認してる‥‥‥「フェアウェイですね。ナイスショット！！」

「「「「「おおおおおおおおお」」」」」

　次に騎士団のホープ！イケメンのナントカ君。あ、名前教えてくれなくて良いからね。彼がティグラウンドに入り、構える。イケメンがやると絵になるから憎いよね。

　ガッシュっと力の入った音がして、キャディさんが叫んだ！

「ファーーーー！！！」

　皆、何事かとキャディさんを見るが、ボールの飛んだ先には林の中に戦隊が！

　彼は直ぐに樹の後ろに隠れたので、直撃はしませんでしたが‥‥キャディさん、ちゃんと見えてるんだ！？

　皆がキャディさんを尊敬する一幕でした。

　キャディさんの「ファー」は英語でforeと書き、前方という意味だそうで。

　頭抱えて蹲れって言ってるそうです。当たったら痛いじゃ済まないもんね。

　因みにキャディさんたちには、小国の国王一行のゴルフ大会なので、林の中にシークレットサービスが散っていると説明してある‥‥嘘じゃないよ。

　第１打からOBを出したナントカ君は、打ち直さないで、そのまま続行する事を主張した様だが、OBは１打罰で打ち直し。又は2打罰でそこから？‥‥どっちが良いか分かるよね？ルールだから諦めなさい。

　１組目の４人が打ち終わり、同伴の連中を引き連れてゾロゾロと歩いて行く。

　こりゃドンドンやらないと時間かかるよな。

　次の組も準備をしているが、次の組にお付きのキャディさんがまだOKを出さない。

　15分くらいしてからOKが出た。

　やはり、最初からスムーズには行かないようだな。

　それと、戦隊に言ってキャディさんの言う事を素直に聞かない奴が居たら、その場でペナルティを宣告する様に！人目が減ると、さっきのナントカ君のようにごねる奴が出てくるだろう。

　支配人を呼んで、今回の大会に付いてくれるキャディさんたちには、特別日当として￥10,000上乗せ支給する事を伝える。

　だからキャディさんたち頑張って下さい。‥‥支配人、あなたはキャディしなくても良いからね？

　何気に面白い奴だな。