第90話 暮れ~の元気なご挨拶♪
牙猿と魔狼がそれぞれ一列に並んでご挨拶。
「お控えなすって‥‥」
違~~う!!
なんで、仁義切ってんの!?いつからここはヤクザの一家になったの?
牙猿のボス一家と、魔狼のアルファ一家。そんな口上が語られていく‥‥
纏めて、神田真悟人一家!・・・・・誰だ!?そんな名前を付けた奴は?
キングのマンガリッツァも、ジェネラルのウメヤマも満足気だ。
‥‥もういいよ。好きにやって。
女性陣は、普通に挨拶している。
ああいうのでイイじゃん。
ジーフォを先触れに出したので、ちゃんと話は伝わっていたのだが、また勝手に飛び出して行ったので、怒られた。
トゥミとサラに叩かれたが、客人が居るので正座は免れた。
こら、シャルは知らん顔するんじゃない!一緒に怒られろ!
オークのマジシャン二人は、ニコニコと俺らの様子を見ていた。
彼女たちは、ヨークシャーとランドレースと言う名だそうだ。
マジシャンと言うだけあって魔法が使える。
ヨークシャーが水魔法、ランドレースが火魔法を使えるそうだ。
オークが魔法を使えると言うのは、非常に稀少な事でトゥミ達もそんなオークには初めて会ったと言っている。群れには後二人、♀マジシャンが居るそうだ。
どんだけ人材豊富なんだろう‥‥
彼女たちはやはり女性中心に、トゥミ達が中心になって、魔法からファッションからグルメまで、尽きない話題を繰り広げている‥‥
何処のJKの会話ですか?・・・とても混ざれない。
そう言えば、さっきデュロックを発見したな。
居たいた。ジョゼットさん達も一緒に居たので、話を聞いて見た。
一応、デュロック達との交易に関して一通りの希望内容は伝えたと、後はデュロックが話を持ち帰ってどうするかを話し合うだけだ。
ジョゼットさん達にお礼を言って、休んで貰った。
じゃあ、デュロックと話しようか。
さて、キング達が来て一番驚いてるのはきっとデュロック、お前だよな?
「あ‥‥あ、はい。」
「奴らは今、住む土地を探している。だから、奴らさえ良ければこの村に向かえようかと思っている。」
「‥‥‥はい。」
「最初はお前の村と一緒に暮らせないか考えたそうだ。‥‥‥だが止めた。」
「・・・・・・・・」
「どういう意味か分かるか?」
「ぼ、僕は‥‥」
「デュロック。」
「は、はい。」
「抱えるな。何でも一人で抱えるな。」
デュロックは、目を潤ませた顔を上げた。
「ぼ、僕は‥‥」
「バークシャーとバスクが俺の所に来たぞ。」
「!!え?」
「ビビりまくりながらやって来て、何て言ったと思う?‥‥デュロックを助けてくれって。その内潰れちゃう!って、懸命に訴えてたぞ。」
「あ、あいつらが?‥‥姿が見えないと思ったら‥‥」
「それと、セネーゼな、ワフワン達に旦那の盛り立て方や、内助の功の方法何かを聞いて回ってたぞ。彼女もお前を助けようと頑張ってんだな。良い仲なんだろ?」
「あ、う‥‥うんと、その。」
「良い仲間に恵まれてるじゃないか。そんな仲間同士ならキングだってお前に話をしたと思うぞ。‥‥ただな、キング曰く、濁った奴らが居ると言ってるんだ。」
「はい。‥‥そ、それが、どうして良いのか分からなくて‥‥最近は仲間を増やして、昔の王子みたいな事をしようとしてるみたいで‥‥何度か話したんですが、僕も仲間になって上位者になれば良いなんて言っていて。‥‥あ、あんな辛い思いしたのに何で繰り返そうとするのか。ぼ、僕には理解できなくて‥‥ど、どうしたら良いですか?教えて下さい。仲間と平和に暮らしたいのに、どうしたら良いのか分からないんです。ウッウッうっ‥‥」
デュロックは泣き出してしまった。
その肩を、ポンと叩く者があった。
デュロックが顔を上げた・・・・・オークキングが居た。
「マンガリッツァ、ウメヤマ、聞いたか?」
「‥‥ああ。今日は来て良かった。」
「兄ぃさん。ゆっくり話を聞かせてくれ。悪りぃようにはしない。このウメヤマの名に掛けてな。」
「キ、キングさんとジェネラルさんが、ぼ、僕に声を‥‥」
「‥‥マンガリッツァだ。」
「ウメヤマだ。兄ぃさんの名は聞かせてくれるかい?」
「は、はい。デュロックです。」
「二人とも、頼んで良いか?」
「‥‥うむ。」
「真悟人さん、任せときな。」
「頼もしい言葉だな。よろしく頼む。」
真悟人は頭を下げた。
「「‥‥‥ほう。」」
「人のために頭を下げれるなんて、イイ男だな。真悟人さん気に入ったよ。」
「‥‥話をする場所を貸してくれ。」
「レッド!」
音もなく牙猿が現れたのを見て、マンガリッツァとウメヤマは感心した。
「彼らを迎賓館に案内してくれ。」
「はっ。畏まりました。・・・お三方、どうぞこちらへ。」
そこへ、バークシャーとバスクもセネーゼを連れて戻ってきた。
「お前達も一緒に話して来い。」
「「「はい!」」」 「「「デュロック!!」」」
彼らは後を追って駆けて行った。
話、上手く行くと良いな。
~~~~~~~~~~
マンガリッツァとデュロックが戻ってきた。
「ん?他の4人は?」
「‥‥ウメヤマが話してる。」
「そうか。話は纏まったのか?」
「‥‥うむ。急を要する。直ぐに立つ。」
デュロックは話をする前と違って、非常に引き締まった顔付になっている。
昔、誰かから聞いたな。顔立ちは親が作る。顔付は自分で作るってね。
話をして、思う所が在ったのだろう。
「何か、手助け出来る事は無いか?遠慮すんなよ?何でも言ってくれ。」
「‥‥では、三日経ったら食い物と酒を頼む。宴会をしたい。」
「おう!分かった。最高の食材を用意してやる。オーク全員で200位か?」
「‥‥内の所で150位だ。デュロック達が50位と言ってたから、そんなもんだ。」
「よし。期待してろ。(1000人分‥‥じゃ足りないか?いよいよアレが約に立つな!)」
「‥‥済まない。助かる。」
そんな会話をしていたら、ウメヤマ達が戻ってきた。
バークシャーとバスクとセネーゼの表情が違う。
静かな決意と、緊張感が伝わる。
「ふっ、今からそれじゃ疲れちまうぞ?もっと肩の力抜いておきな。」
ウメヤマに指摘されて苦笑いを浮かべる3人。
大丈夫そうだな。
「直ぐに立つって?」
「ああ。兄ぃさん達に話聞いたら、早いトコ行った方が良いな。」
「ウメヤマ。頼むな。」
「よせやい。今回、本当に来て良かったよ。危うく仲間を見殺しにするところだったな。」
マンガリッツァが頷いている。
「3日後に宴会の準備して行くからな。」
「おお!本当かい!真悟人さん話せるねぇ。酒もあるかい?」
「マンガリッツァからの提案だよ。酒も期待しておけ!足腰立たなくしてやるぞ!」
「アッハッハッハッ!!いいね!その勝負受けて立つぜぃ!‥‥ん?マンガリッツァの提案!?マジかい!?おいおい!どういう風の吹き回しだい?」
当のマンガリッツァはそっぽを向いて知らん顔している。
どうやら普段のマンガリッツァは、酒とは無縁の様だ。
そのまま、マジシャン二人と合流して、オーク8人は慌ただしく戻って行った。
オーク達が帰ったと聞いて、牙猿と魔狼のほぼ全員が残念がった。
(きっとこいつ等、客人が来たら宴会があると思ってたな?)
しかし、三日後に全員で宴会の準備をしてオークの村に向かうと伝えた。
「「「「「おおおおぉぉぉーーー!!!」」」」」
怒涛の歓声が上がった!!
では、準備開始!!
「「「「「おおっ!」」」」」
先ずは、牛の姐さん達に留守にする事を伝えて、必要な物などを聞いた。
ニワトリ達も多めに餌を入れて置けば問題無いそうだ。
水は、井戸の水を直接引いてるし、心配は外敵と餌不足だ。
卵は拾えないから、温めだす牝鶏が増えるので卵の生産は落ちるのか??
それに、雄鶏を少し多めに絞めたから休める牝鶏も増えるかも。
食材は豊富にあるので、心配はいらない。
カレンとグッチを呼んで、遠征して宴会をする事を伝えたら‥‥燃えていた。
あれ?グッチとか、こんなキャラだっけ??
寸胴鍋や鍋や皿を在るったけ用意してお願いした。
人数が人数だけに三日で準備出来るか?って聞いたら受けて立つ!と言われた。
だから、そんなキャラだっけ??
取り敢えず、出発は三日後だ。
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