第86話 次の交易

 アイスフレーバー勝負!


 結果が出ました!!

 また、優勝から発表しちゃいます!


 優勝は~~・・・・・ジーワン、カレンチームですぅ~!

 正体不明の甘い香りは、バニラと言うんだそうです。前に真悟人さんに聞いたのを覚えていて、懸命に探したそうです!ようやく見つけたバニラは、蔓性の植物で細長い果実を付けるそうです。熟してから煮込んで布に包んで保温して、暖かい所で乾燥させて寝かしてと、本当は収穫してから1年近くかかるような、メンドクサイ物なんだそうですが、見つけて来たご褒美に、完成品を真悟人さんがくれたんだそうです!

 やっぱ優しいですねー!!


 2位は~~・・・ボス、ワフワンチームですー!

 ボスさん達の作ったアイスは、クッキー&クリームです。これも、真悟人さんから貰ったクッキーを砕いたモノと、別で生クリームを作って混ぜるそうです!

 アイスを混ぜるのと別に生クリームを作ってるとか、泡立てどんだけ早いんですか!?因みにクッキーによって色々味が変わるそうで、オレオが良い!とか?オレオって何ですかね??


 3位と4位は、なんと!同一でした~!

 ビーワン、ジースリ―チームと、アルファ、シルビアチームです~!


 ビーワンさん達の作ったアイスは、マカデミアナッツ入りです。

 マカデミアという木の実なんですが、この実が実に固い!だから誰も食べようなんて思わなかった!ビーワンさんが鳥を落とす礫に使ってるのを真悟人さんが発見して、マカデミアの木の実を集めさせたんです!そして若木もたくさん集めて果樹園の新たな仲間として育っています!

 この木の実を熱を加えて乾燥させて、じっくり乾かしてから割って食べます。メチャメチャ美味しいです!食べ過ぎると鼻血が出ます。程々にしましょう!マカデミアナッツの細かく割れたモノを更に細かくしてアイスに入れちゃいました!美味しいマカデミアナッツに、美味しいアイス!美味しい訳ですね。 実は私の一押しはマカデミアナッツでした~!!


 次に、アルファ、シルビアチームです!

 彼らの作ったアイスは、ラムレーズンです。

 ブドウを干したのがレーズンです。天気の良い日に日向に広げて作ります。

 朝広げて、夕方回収を何日か続けるとレーズンに変身!そのまま熟成させると、もっと甘くなるそうですが、今回はそこまで時間が無かった。出来たレーズンを今度はラム酒に漬けます。ラム酒って、お砂糖を作る原料のサトウキビから作るお酒です。良い香りがします。ラムレーズンを作るために真悟人さんから貰って来たラム酒ですが、アルファが美味い♪美味い♪と飲もうとするので、シルビアが怒ってました!鬼のシルビアを見るのも久しぶりです!(シャマルちゃん、後でお話しましょうか?‥)あわわわ!!


 最後は、トゥミ、真悟人さんちーむです!

 トゥミさん達はキャラメルアイスを作りました。

 お砂糖をゆっくり炒めて?生クリームやはちみつを少しだけ混ぜて柔らかいキャラメルにして、アイスをカップに注いだ最後にキャラメルも注いでグルっと混ぜてるそうです。こちらもアイスの他に生クリームを作ってるんですね~~!!?


 実は、全てのフレーバーは真悟人さん絡みだったんですね~!

 これから段々とオリジナルレシピが開発されるのが楽しみですね!


 アイスフレーバー勝負は、ジーワン、カレンチームの優勝と成りました!

 アイススピード勝負は、トゥミ、真悟人さんちーむの優勝でした!

 1位5P、2位4P、3位3P、4位2P、5位1Pとして計算します。


 では、総合優勝は!!・・・・・ボス、ワフワンチームですー!!

 アイスフレーバー勝負は2位4Pでした。

 アイススピード勝負でも2位4Pでした!

 4P+4P=8Pで、総合優勝に決定です!!

 優勝者には、アイスマスターの称号と、真悟人さんからアイスの材料6ヶ月分が送られます。では、真悟人さんから賞状と目録が渡されます!!

 ・・・・・・・・・・


 では、準優勝は!!ジーワン、カレンチームの独り身の女王チームです!

 アイスフレーバー勝負は1位5Pでした。

 アイススピード勝負では4位2Pでした!

 5P+2P=7Pで準優勝です。

 準優勝には、真悟人さんからアイスの材料1ヶ月分が送られます。

 では、真悟人さんから賞状と目録が渡されます!!

(シャマルちゃんには、後で私達とあっちでお話しようか)ひえぇぇ~‥‥

 ・・・・・・・・・・



 トゥミ、真悟人さんちーむ

 アイスフレーバー勝負は5位1Pでした。

 アイススピード勝負では1位5Pでした!

 1P+5P=6P


 アルファ、シルビアチーム

 アイスフレーバー勝負は3位3Pでした。

 アイススピード勝負では3位3Pでした!

 3P+3P=6P


 ビーワン、ジースリ―チーム

 アイスフレーバー勝負は3位3Pでした。

 アイススピード勝負では5位1Pでした!

 3P+1P=4P


 アイスクリーム祭りの総合結果は、以上の通りとなりました。

 入賞できなかった皆さんは、参加賞としてアイスの材料1週間分となります!


 これにてアイスクリーム祭りは終了となります!

 残ったカップは、必ずカップ籠に戻してくださいね~!


 それでは!皆さんお疲れ様でしたぁ~~~!!

(さて!サッサと逃げないと‥‥‥)


「あら?シャマルちゃんどちらへ??」


 ギックッ!

「あれ?‥‥皆さんお揃いでどうしましたかぁ!?」


「うふふ。お話しようって言ってたものね。うふふ」


「はい。サヨナラ~~~~~~~!!」


「「「あっ!」」」「待ちなさ~~~~い!!」


「待てと言われて待つ奴は居ませ~~~~~ん!」


 ・・・・・・・・・・


 ~~~~~~~~~~


 さ~~て、収穫も終わって、お遊びも終わって、そろそろかな?


「主、オークが数人こちらへ向かっています。」


「デュロック達か、何人だ?」


「4人です。」


「そうか。んじゃ、迎える準備と、ジョゼットさんとクアガールさんを呼んで置いて。」


「はっ。」


「どんな話を持って来たかな?良い話だと良いなぁ‥‥」


 迎賓館に作った私室で、ジョゼットさんとクアガールさんを待つ。

 彼らはエルフの里で、ずっと交易を担当していたので、物の目利きや対価に関しては確かな目を持っている。その為、他の集落との取引や管理をして貰おうと思っている。


 今回、オークが来るのは、多分何かの取引をするつもりだと踏んでいる。

 何を持ってくるか、何が欲しいのか?

 こちらからもオークに提案がいくつかあって、彼らが乗ってくれれば、この村としても助かる。その辺をジョゼットさん達に伝えて置こうと思う。


 それに・・・・・イヒヒ!



 ~~~~~~~~~~~




「なぁデュロック。本当にいきなり押し掛けちゃって大丈夫なのかぁ?」


「確かに、あの時助けてくれた人間と牙猿達だけど‥‥ちょっと心配だよなぁ。」


「大丈夫だよ。バークシャーにバスク。見て見ろ!セネーゼの方がよっぽど落ち着いてるぞ?」


「私は‥落ち着いてる訳じゃ無くて、心配より楽しみなんだよね。」


「楽しみ?なんでまた?」


「あの時、絶望しか無かった時、人間が助けてくれたでしょ?」


「そうだなぁ。本当に絶望しか無かったもんなぁ‥‥」


「うん。そん時、人間は私達♀達を集めて、牙猿の姉さんに預けてくれたんだけどね。その牙猿の姉さん、ワフワンさんって言うんだけどね、凄く良くしてくれたの。ちゃんと話を聞いてくれて、取り乱しても宥めてくれて、私達スゴく助けられたんだよね。だからまた会えるのが楽しみでね。」


「女の子は数も少なかったし、本当に酷い目に遭ったもんな。皆よく立ち直ってくれたと思ったけど、そのワフワンさんが助けになったんだな。」


「うん。自分でも、よく立ち直れたと思うよ。デュロックも突然リーダーを任されて、よく村を立て直したと思う。立て直したからあの村に行こうと思ったの?」


「真悟人さんは、僕らにちゃんと暮らせるように、援助もしてくれたし、村も復興してくれた。その時に言ってたんだよ。対等に取引出来る物を持ってくれば、ちゃんと交易をしてくれるって。だから冬前の今のうちに挨拶しておきたいのさ。」


 そんな会話をしている4頭の前に黒い着物を着た牙猿が降りて来た。


「ひぃ!」

 普通、牙猿に森で遭遇したら終了である。

 これから牙猿の村に向かうと言っても、突然遭えば命の危機を感じる。

 ♀を中心に4頭で固まって対峙する。逃げても無駄なのは100も承知だが、雌のセネーゼだけは逃がしたいと思う。


 一番大きな牙猿が口を開いた。

「これは、驚かして申し訳ありません。私は、牙狼村のレッドと申します。」


 レッドが頭を下げたのを見て、助かった!と思いつつも足はガクガクと震えていた。

「わ、私はオークのデュロックです。真悟人さんにお会いしに行こうと思いまして‥‥」


「主から話は聞いています。ご案内しますので、どうぞこちらへ。」


 気付くと周りには、牙猿達だけじゃなく同じ黒い着物を着た魔狼も居る。

 うわぁぁ~~~怖ぇぇ~~~!!

 と思う、オーク一同であった。



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