第6話知っていること

特別会議室にて


「私からは以上です」


そう話す、リズル少佐の前には大きなテーブル

そこに老若男女問わず、30名ほどの人々がテーブルを囲い座っている


「これでは、情報があってないようなものだ」

「まさか、ルーグ一族と離れて暮らして、会ったこともないとは…」


リズル少佐の話した内容にざわつき始める会議室


「リズル少佐、他に得た情報は?」

リズル少佐の隣で座っているアーベル大佐が質問する

「そうですね…」


「母親、祖母の名前は?」

リズル少佐の近く、若い女性が問いかける

「母親はリリス、祖母はカフルと言っていました」


「あの婆さんの孫か」

「たしか、息子が一人いたな。リリス・ルーグという娘は知らんが…」


「あの子から父親の情報は?」

再びアーベル大佐が問いかける

「家政婦が数人、母親と祖母とずっと暮らしていたと言っており、父親は知らないと」


「では、双子の住んでいた場所は?」

「場所は分かるらしいのですが」


「連れていくのは良くないですねー。体調もありますし」


会議室に明るい声が響く

入り口に、白衣の女性がいた


「やあ、ノーツ医師。アリス・ルーグはどうかね?」

入り口から少し遠くから、男性がノーツ医師に話しかける


「激ヤバです。日に日に魔力が強くなっています。後数日で、ここにいる皆さんでも倒せるでしょうか?という感じですね」

リズル少佐の方へ向かいながらそう答えると、その言葉に、再び会議室がざわつきだす


「1ヶ月は大丈夫だろうと思っていたが」

「うむ、さすがはルーグ家というところか」


「気になることがあるんだけど…」

リズル少佐の側についたノーツ医師が話し始める

「なんだ?」

「んーとねぇ……双子の面会は、明日か明後日くらいまでと思うから、よろしく」

「なぜ?」

「これ以上、アリス・ルーグが強くなって会わすのは危険ね。ちょっとの刺激で起きられても困るし」

「そうか…」


「でさぁ、双子の誕生日って…」


ビービー


突然、リズル少佐の無線機が鳴った


「失礼します。リズル少佐」

「なんだ?今、会議中だ」

「申し訳ありません。クリス・ルーグが起きたのでご報告と思い…」

「すまないな。じき向かう。クリスをよろしく」

「はい。失礼します」


無線機を片すと、テーブルの方へ向きを正し

「すみませんが、クリス・ルーグの所へ行くので私は失礼します」

会議室にいる人々に声をかける


「うむ、では会議も終わりにするか。アーベル」

テーブルの真ん中にいる、初老の男性が話しかける


「はい」

緊張した様子で返事する


「夜が明け次第、部下と共に、クリス・ルーグの家を捜索を頼む」


「かしこまりました」

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