縁側に面した部屋で
縁側に面した部屋で
夏の忘れ物を見つけた
もう湿気ってるかしら——
庭に下りて 太陽にかざしてみると
いたずら心が 頭をもたげた
まだ真っ昼間だというのに
ライターを持ち出して点火
小さな炎はみるみる丸くなり
やがて パチパチパチと弾け出す
最後に いく筋かの残り火をこぼし
ポトリと落ちて静かになった
女の人の泣き方みたい
私は 燃えかすを片付ける
恋が終わり 夏はもう遠い
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