心地よいまどろみを破られて

心地よいまどろみを破られて

ボクは暗闇をくぐり抜けた


眩しい光に驚いて

空気がいっぱいで苦しくて

吐き出しながらボクは振動した


そうしてやっと

息がつけるようになったんだ


聞き覚えのある音の方へ

そして 甘い匂いの方へ


気持ちのよいぬくもりと

初めてのというものと

重さというものに身を委ねて

ボクはもう一度 眠りについた


それから時々 目の前がぼんやりと

明るくなったり 暗くなったり

光の中に何かが出たり入ったり

お腹がすいたり 寒くなったり


気持ちいいことと 悪いこと

同じことの繰り返し


でもね

いつもやさしいぬくもりがあって

やさしい音がしていたよ


そして ある時わかったんだ

それらはボクに向けられている


そして ある時知ったんだ

安心ということ

ないとさびしいということ


ボクが呼べば 目の前に現れる


ボクはきっとずっと前から

この人を知っている


ボクはやっと会えたんだ

やさしいお母さんに

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