まるで催眠術のよう

まるで催眠術のよう


その小さな唸りが

私の感覚を鈍らせる


体を揺すられながら

しだいに意識に空白が入り込む


気づけば がっくりと首を垂れ

もう なすがまま されるがまま


いいえ 気づいてすらいない

こんなに無防備で無抵抗な自分に


気づいた時には もう遅い

私の体は泥の中 足を取られて動けない


なんだか頭もぼんやりで

体もしびれているみたい


ダメだよ ここから出なくては

私には 行くところがあるのだから


それでも 体は泥に沈み

意識は何度も遠のいていく


ここには 魔物が潜んでる

踏み入れたら最後 泥沼に引きずり込まれる


やっとのことで抜け出して

辺りを見れば 知らない場所


魔物のせいで ほんの少し

遠いところに運ばれる

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