10月

2019年10月6日 「ユーモア家族」


父「父さんの会社『倒産』しちゃった」俺「『おやじ』ゃあ、家族の危機だ」母「次の仕事『パパ』っと見つけてね」妹「お父さん落ち込まないでね。なんとかなーれ『ちち』んぷいぷい!」我が家はユーモアを忘れない。




2019年10月13日 「釣ってしまった」


釣果ちょうかは?」「坊主」「なんだ、釣れなかったんだ」そのほうがどんなによかったか。「だから、坊主釣っちゃったんだよ。経営難で自殺だってさ。極楽行けたかなぁ」思わずお経を唱える。それにしても右肩が妙に重い。




2019年10月21日 「俺の彼女」


昨日から彼女の機嫌が悪い。まさか嫌われたかと頭を抱えている時に携帯が震えた。「コミュニケーションAI・カエちゃんが常時不機嫌になるという不具合……」メールを読んで俺はホッと胸をなでおろした。




2019年10月28日 「黒い手」


やっぱり田舎はいい。青空に映える木々の緑と鳥の声。空気も全然違う。けど、一番違うのは水だ。足元を流れる清流は濁り無く透き通り、川底まではっきり見える。揺らぐ水藻や泳ぐ魚たちも。私の足首を掴む黒い手も。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る