7月

2019年7月6日 「天の川橋建設計画」


織姫と彦星がいつでも好きな時に会えるように、天の川に橋を架けるという計画が立ち上がった。するとお節介な地球の人々が声をあげた。「せっかくのロマンが台無しだ!」彼らはいつも当事者の声を聞こうとはしない。




2019年7月13日 「趣味」


口紅のついた煙草を処理し忘れた。そのことで妻に浮気を疑われ、俺は趣味を白状し、そして反撃に出た。俺のじゃない男物の服や下着はなんだ。すると、妻も趣味を白状した。アタシたちは以前よりも仲良くやっている。




2019年7月21日 「花の散るとき」


「あの花が散ったときが私の最期さいごよ」ベッドに横たわった彼女が言う。サイドテーブルの花が空調の風に小さく揺れた。「それは良かった」僕は言う。「あれ造花だもん。そんなことより早く風邪を治しなさい」「はーい」




2019年7月28日 「高級食材について」


寒すぎても暑すぎても駄目。豊富な栄養、綺麗な空気と水が不可欠で、病気にかかりやすく定期的な健康チェックも必要。高級食材には手間がかかる。それにしてもこんな弱い生き物がかつて地球を支配していたとは驚きだ。

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