今週の火曜日、同じクラスの立花が死んだ。


手首に包帯を巻いた女性。


学生の悩み。

意外な展開。

衝撃のラスト。

文章上手いです。

さすが、カクヨム甲子園読売新聞社賞受賞作！

アイザック・アシモフの『第二ファウンデーション』という作品をご存じでしょうか。銀河帝国衰亡史シリーズ初期三部作の三作目であり、SFでありながらミステリー要素が強いアシモフらしい一作です。

滅茶苦茶簡単なあらすじを言うと、銀河帝国の滅亡を救うために設立された『ファウンデーション』が、『星々の果て（スターズ・エンド）』にあると言う謎の組織『第二ファウンデーション』を捜索するお話です。『ファウンデーション』は『第二ファウンデーション』を脅威と見なし、発見次第打ち倒そうと試みます。

この作品の衝撃は、最後のたった一文に凝縮されています。全ての謎は最後の一文で氷解します。






本作、『残夏』と同じように。

同級生の死から始まる学園ミステリ。
主人公のひと夏の恋と事件の真実が複雑に絡み合って、最後の最後にするりとほどけます。
とにかく構成が素晴らしいです。
思わぬところに伏線が張られていることに気が付かず、見事にひっくり返されました。

一度読みはじめた方は絶対に最後まで読んで下さい。

同級生の死から始まるこの物語。
まだ夏でもないのに暑い日に焼香に行った主人公が見たのは印象的な女性の後ろ姿。
そこから主人公はその女性に恋に落ちていくが、彼女に近づくごとに謎ばかりが増えていく。
そして、彼女の謎が解き明かされる時、全ての始まりの謎も明かされる。
始まり以上の衝撃に襲われること間違いなし。

雰囲気のある文章も見事でした。

青春小説のようなのにどこかに怪しい雰囲気が漂う、独特な世界観で物語は進みます。
主人公の心の揺れ動きに読んでいるこちらまで揺さぶられ、最後には突き放されたような衝撃を受けることになるでしょう。

読みごたえのある作品です。