このチカラはなぜ彼女に効かない

フミ

プロローグ

僕は超能力者なんだ。


この事を隠すために超一生懸命に頑張った。幾ら科学が日新月异進展しても、令和5年でいきなり超能力者が出現とはどうだろう。


あれは小四のときだったか、あんまり覚えていないが、ただ教室で一緒に遊んでる同級生と何らかの原因で喧嘩をした程度だ。


怒りに至った結果、超能力のチカラを目覚めた。相手は僕に一発でぶっ倒された、殴って倒したより万象天引のような技で倒したと言ったほうが相応しい。


「先生、先生、こうちゃんが天塚君に殴された。ち...血も...」ハナちゃんが喚きながら先生のとこに走った。幸い先生が来る前に僕の能力で相手の怪我を一瞬ですり傷を治った。ついでに現場にいる皆の記憶も消してみた。


先生はすぐ殺到し、こうちゃんに向き「大丈夫ですか、怪我は...ん...ないんだ、喧嘩しちゃだめですよ」と言った。

「喧嘩?してませんよ、先生。僕たちはただ遊んでるだけなんです。」こうちゃんはそう答えた。

現場にいる皆も疑問そうな顔で先生をみる。どうやら、成功したな、初めて使ったチカラはここまで馴染んでるとは自分でも驚いたよ、便利だ。


「ありえない!さっきは確かに...」ハナちゃんは唖然した顔で言った。

「ハナちゃん、もし天塚君と何があったら、先生と相談してね。でも、嘘はダメですよ!放課後教務室へこい。」

「でもよ...わかりました」

ハナちゃんは泣きそうな顔で俺を睨んだ。俺もハナちゃんに悪いと思うんが、仕方がない事だ。もしそうしないとただで済まないから後で超面倒な事になるって決まってる。


放課後、俺は校門でハナちゃんが教務室から出るのを待ち伏せている、彼女の記憶も消したいと思う。そして10分後、彼女は歩いてきた。

「森川葉奈さん、すまない」とそれだけを言って、チカラを発動した。だが、手応えはないみたい。

「何よそれ」なんかハナちゃんは先よりもっと怒っている。

可笑しい、確かに発動したと思う、どうして効かない。何回やっても、彼女の記憶は消してなかった。

「馬鹿にしてんの、帰る!」彼女は俺と少し離れた所にふっと振り向いた。

「何の接触もなく、こうちゃんをぶっ飛ばした。でも、確かにやったよね…もういい、疲れた。」それだけを言い残し、彼女は帰りました。


記憶は消せないなら、いつかちゃんと彼女と説明したい。だって、彼女の事が好きだから。


結局1ヶ月後なんの説明もないんまんま、父の仕事の原因で俺は実家の町へ転校した。


それ以来僕はチカラを隠しながら、地味な学生を演じて普通の学校生活を送っている。平穏な日常を保つためだ。


まぁ、今高校二年になった俺は時々使うんだ、こんな便利なチカラを使わないと損だよ。当然悪いことはしません、せいぜい寝坊して遅刻寸前一瞬で学校まで移動するとか、街でチンピラにナンパされて困ってる可愛い女の子を助けるとか、テストの時に優等生の答案を透視のチカラで覗く程度だ。


だが、ある転校生に俺の秘密を発見した。よりによって、あの森川葉奈だ。


そして、俺の学校生活もささやかに変わった。







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