第18話

「よっと」


ジンはソファーに座ったまま軽く声をあげ、右足でトンを床を踏む。

すると、動けなかった騎士や国王たちの拘束が解けた。元々拘束はしてなかったのだが、威圧を解いただけだ。


皆我に返ったように、自身の身体の動きを確かめる騎士たち。近衛騎士団長や宰相も同じだ。


「ぶははっ!馬鹿め!拘束を解いたな!」

「必要ねえからだよ」

「今だ!取り押さえろ!」

「……馬鹿だねぇ」


騎士団長が声を上げると、壁沿いに居た騎士たちが一斉に剣を抜き、ジンやアリサたちに向かって走り出す。

ジンは涼しい顔でブリュンヒルドを抜き、右手を頭上に上げて、くるんと一回転輪を描いた。

たったそれだけだ。

たったそれだけで、ジンたちに近づいていた騎士たちは、腹から真っ二つになった。

分厚い鎧も着ている、どれほどかわからないが訓練もされているだろう、だがなす術なく、剣筋を視認できることもなく、ただただ上半身と下半身が静かに泣き別れした。

騎士たちの身体から、血液や臓物が一気に流れ出す。一気にむせ返る血の匂い、アリサとヨハネスは、口に手を当て、懸命に嘔吐を堪えている。


「なっ!」

「っ!」


5秒ほども放心していただろうか、国王と幹部は何が起こったのか理解出来なかった。そして、やっと謁見の間の全ての騎士が死んだのだと理解出来、短い悲鳴をあげた。

ジンは片眉をあげて、ふてぶてしく国王に言う。


「俺は言ったよな?ジン=カザマツリだって。まさか俺にこの程度の騎士を向かわせただけでなんとかなると思ったのか?……ひょっとして舐められてる?」


と言って、ソファーを立つと、


「ま、待て!待つのだ!!」

「もう、面倒だ」

「殺す気……、1番は選択して居らぬぞ!!」


アリサとの話を言ってるのだろう。


「貴様は奴隷であろう!主人の命令を聞かぬか!」

「ちゃんと聞いてた?お嬢は『命令』なんてしてねえよ。まあ、お嬢がなんと言おうと無理なものは無理だからな。……、もういいだろ?簡単に行こうぜ?」


ジンは右手に光り輝くブリュンヒルドをだらんと垂らし、ゆっくりと国王に向かって歩く。


「ぬああああ!」


騎士団長が、雄叫びをあげながらジンに斬りかかる。


「不意打ちで声を出すな」


と、言いながらジンがスッとブリュンヒルドを向けると、騎士団長の首はぽとりと落ち、前に倒れてガシャァァンと鎧の音を鳴らした。

無慈悲だ。そして一切の躊躇がない。まるでハエを追い払うがごとく人間を殺していく。


「ひっ!」


宰相は短い悲鳴をあげて、腰を抜かして尻餅をついた。


「わかった!余らが悪かった!」

「いや、わかってねえよ。そんな簡単にわかるはずがねえ」


取りつく島もないとはこのことだ。少なくとも国王はそう感じた。

謁見の間の外から、一気に兵士がなだれ込む、いや入って来れなかった。


「来るなあああああ!来るでない!!」


国王が叫んだからだ。ジンと国王の間の距離は、まだ5mはある。だがもちろんジンには射程範囲内ではあるし、たった今騎士たちも騎士団長もジンの神剣が触れていないにもかかわらず、国王の目の前で両断されたのだ。国王は既に命を握られている。それが国王もわかっているから兵士を止めた。

そして、国王は震える膝を気合いで押し殺し、なんとかジンの目を見ながらジンと話をする。


「そちの、勇者カザマツリの脅しは充分効いた。余は決してリーベルト家に手出しはせぬ」

「無理無理、お前は手を出すよ。なあ国王、お前も面倒だろ?今ここに全部の兵士を集めろよ。ここで決戦と行こうぜ?」


ジンにふてぶてしく言われても、国王は怒りなどは感じない。頭の中は恐怖で一杯だ。


「た、頼む!二度と手を出さぬから!!余は神に誓う!!」

「悪いな、神なら10年前に殺したよ」

「なっ!!!」


正確には神ではない、ジンが殺したのは自称神の昔の転生者だ。

国王にはもうすがるものがなかった、いや1つだけある。


「ヨ、ヨハネス!余を助けろ!!」


アリサの父ヨハネスは、ガタガタと震えていたが、国王に声をかけられ、貴族として、臣下としての務めを果たそうとする。


「勇者君……、もう、充分ではないかね?」

「甘い、ここでやめたら絶対報復に出るぞ?」

「私にはそうは思えないが……」

「そんなことはせぬ!!ぜ、絶対だ!」


国王の命乞いを聞き、アリサも動き出した。


「ジン、もうやめて」

「お嬢、ここでやめたらお前もお前の家族も死ぬぞ」

「もういいから、お願い……。そんな簡単に人を殺さないで……」

「……」


ジンはぐるりと周りを見る。なんとか剣を抜きブルブルと震える幹部、へたり込んで小便を漏らす宰相、頭から王冠を落とし、髪を乱す国王、謁見の間の入り口で入るには入れないで固まっている兵士たち。


「はぁ〜」


ジンは最近癖になってきたため息をつくと、タバコに火をつけて、肺深くまで煙を入れて吐き出す。ジンも皆殺しにするつもりはない。元々アリサからは3と言われてるのだから。ただ、国王以外の兵士は皆殺しにして、国王の復讐の意を刈り取るつもりだった。まだ足りないと思っているが、仕方ないと諦める。ジンは気怠そうに首を傾げ、国王に向かって言葉を投げる。


「条件がある」

「な、なんだ……」

「お前、娘がいるだろ。そいつをリーベルト家に嫁がせろ」

「っ!」


確かにいる。グランパニアの至宝と呼ばれるほどの美しい姫が。そして国王は姫を溺愛している。

それを聞いてヨハネスは、


「うちの長男は、もう嫁を娶っているが……」

「なら妾にでもしとけ」


王家の姫を妾に、しかも貧乏男爵の長男へと。ありえない。許されることではない。せめて勇者であるジンにならまだわかるが、貧乏男爵のクソ田舎に嫁がせろと言う。流石に国王も黙ってはいられなかった。


「さ、流石にそれは────」

「お父様」


玉座の裏の赤い垂れ幕の裏から、1人の女が出てきた。垂れ幕の裏は緊急の抜け道があるのだろう。国王はその声を聞き、誰だかすぐにわかる。


「シャルロッテ!来てはいかん!」


シャルロッテと呼ばれた姫は、国王の目をじっと見る。


「私が行きますわ」

「っ!だ、ダメだ!」


金髪を縦ロールにした、豪華な白いドレスを着た姫は、一切怯むことなく国王に告げる。


「お父様、龍には逆鱗があります。それに触れてしまえば後は死を待つのみ。お父様は触れてはならない者に触れてしまったのです。ならば誰かが責任を取らねばなりません」

「ならん!シャルロッテ!」


シャルロッテは冷たい眼差しで国王に告げる。


「ならばお父様、ここでグランパニアの血を絶やすのですか?300年の歴史に終止符を打ちますか?」

「っ……」


国王が黙ると、シャルロッテはジンの顔を見て、


「わたくしはあなたの妾でもよろしいのですが」

「要らない」

「……これでもそこそこの容姿と自負しておりましてよ?」


強い。死を受け入れてるのか、それとも殺されないとでも思っているのか。シャルロッテには全く怯えがない。

確かにシャルロッテは女らしい身体をしている。肩に布がないドレスの胸元からは、胸が溢れそうなほど盛り上がっているし、もちろん顔も可愛い。


「必要ない」


シャルロッテは首をコテンと傾げて、


「男色ですか?」

「そんなわけねえだろ」


急にヨハネスがジンに言う。


「そうだよ、君が娶ればいい」

「それじゃリーベルト家の保身にならない」

「そうは言ってもね、ジン君。姫様にうちにこられても、うちも困ってしまうよ」

「……」


これは本音だろう。人質代わりに妾としてもらったとしても、ヨハネスはグランパニアの貴族だし、姫を無下に扱うことは出来ない。扱いに困ると言うのは間違いなく本音だ。

だが、この話の流れに、嫌な予感がビンビンに感じているものがいる。アリサだ。

アリサはさっきまで、一応貴族の程を保った態度だったくせに、一気に素に戻った。


「それはダメよ」


ヨハネスは父親だけあって、既にアリサの気持ちを見抜いている。だが、やっと落とし所になりそうな手を見つけたのに、娘のわがままで壊すわけにはいかない。


「アリサ、これが一番いいんだよ」

「ダメよ。ジンは私の奴隷よ?妾なんて必要ないわ」


するとシャルロッテがアリサの方を向く。


「あなたが勇者を買った人ですわね?」

「そうよ、悪い?ジンは渡さないわ」


アリサは両手を腰に当てて、胸を張る。

いつのまにかアリサの中では、姫とジンの結婚の話の様な気になってしまっている。そしてそうであるなら、シャルロッテはアリサに取って明確な敵だ。まだアリサは自分の気持ちに気付いていない、だが本能が、心の中の何かが、『敵を討ち滅ぼせ』と叫んでいる。

そう、アリサのスタンピードは今現れた。ここが、こここそが戦場、この無駄に乳がデカイ女が討伐すべきスタンピードだ。

しかしこのポッと現れた姫は、確実にアリサより一枚上手だった。目的のためならなんでもする、至宝と呼ばれる美貌を持ちながら、王族としてのしたたかさも持ち合わせていた。


「あなた、何か勘違いなさってますわ?」

「してないわ、絶対にしてない。姫様はお兄様のところに嫁いで」

「姫ではありませんわ」


急にシャルロッテは、アリサの前に両膝をつき、デカイ胸の前で手を組み、まるでアリサを祈るかのような態勢を取る。その姿に一同驚きを露わにする。


「わたくしはただの人質ですわ。妾でも愛人でも、もちろん妻でもありません。ただお父様が約束を守る証拠として渡される担保。それだけの存在ですわ。そう、物。物ですわ。そして、勇者様の主人があなたならば、わたくしはあなたの言いなり、勇者様が奴隷ならば奴隷の持ち物は主人の物ですわ。ですからわたくしがあなたに逆らうことはございません」

「ち、ちょっと……」


流石にアリサもこれには圧倒された。先程までのオーラが立ち上りそうだった勢いも、姫のただの一撃でもろくも崩れさった。

姫と呼ばれる人間が、自分の目の前にこうべを垂れている。今までの人生を貴族の一員として生きてきたアリサには、衝撃的すぎてどうしていいかわからなくなる。


「お願いです、アリサ様。どうかグランパニア王国を救済すると思って、わたくしをお持ち帰りくださいませ。決して邪魔はいたしません」

「そんなこと言われても……」


シャルロッテは頭を下げたまま、アリサへ反撃不能の攻撃を続ける。


「それによくお考えくださいな。もし、このグランパニアにこのままお住みになるのでしたら、わたくしを持ち帰らなければそれは不可能になりますわよ?」


アリサはジンをチラリと見る。ジンはタバコを吸って何かを考えている。ジンも見落としていたのだ、リーベルト家に嫁がせてもリーベルト家が姫を扱いきれないと言うことに。

シャルロッテは隙を与えない。


「いくらお父様が悪かったのだとしても、勇者様、いえ、勇者様の所有者のリーベルト家が、大勢の騎士を殺したのは事実。その中には貴族や貴族の子息ばかりです、どうやってもリーベルト家は恨まれますわ。ですが、わたくしが人質となってれば、誰もリーベルト家に手だしは出来ません」


シャルロッテの話を聞いてると、シャルロッテの言うことは最もに思えた。アリサは内心、この国を出るつもりでいた。だが父は?家族は?リーベルト家は?一緒に逃亡生活をさせるのか?それは出来ない、なら置いていくのか?危険すぎてそれも出来ない。

なら、リーベルト家はこの国に残り貴族を続けることになる。それを誰が守る?もちろんジンが守ってくれるだろうが、いくらここで国王を脅しても、殺された騎士の家族は黙っているだろうか。でも姫を人質に取っていれば、強力な抑止力になるかもしれない。


「あなたが一家揃って逃げることを選ばずに、家族を残すおつもりでしたら、これしか方法はございませんわ」


アリサはもう決められなくなっている。勢いは完全に死に、自分では決められなくなっていた。

そうなると頼るところはジンだ、ジンの反応を見るために、すがる思いでジンを見つめる。


「ジン……、私どうすれば……」


ジンはタバコを床に落とし、足で踏み潰しながら言った。


「お嬢」

「な、何?」

「お前、チョロすぎんだろ……」

「っ!な、何よ!!」


実はジンもシャルロッテの言葉は一理あると思っている。だがここまで簡単に転がされてるのを見て呆れていた。


「お嬢、はっきり言っておく。どんなにこの女が御託をのたまわったとしても、ここでこの女含めて皆殺しが正解だ。もしそれをしないなら面倒は付きまとうもんだ。……だから言ったろ、さっさと殺せばいいんだよ。口を開かせるから面倒になるんだ。今からでも遅くない、選べ」


アリサは周りを見渡す。

まただ、またみんながアリサを見ている。今度はアリサの一言で助かるのではなく、アリサの一言で死が決定する。国王はもちろん、宰相も、強気のシャルロッテさえ背中に冷や汗をかいていた。

しばらく黙りこくってから、アリサは重い口を開く。


「ジン……、ごめんなさい……」

「だろうな……」


ジンはまた大きなため息をつき、ブリュンヒルドをどこかへ収納した。

それを見た一同、謁見の間に安堵が広がったが、次の瞬間、更なる緊張が走った。

なんとジンは、玉座の裏に回り込み国王の首根っこを掴んでいるのだ。宰相は叫ぶ。


「まさか!!空間魔法だと?!!」


ジンはニヤリとして、


「そう言うことだ。どれほど城を兵で固めても俺には無意味だ。寝室だろうがどこだろうが転移で現れて一瞬で殺せる。まあ、流石に寝室に10000人も兵を詰め込まれたら、気持ち悪くて行かないだろうけど」

「空間魔法など、古の伝説の魔法だぞ!」

「俺は、『ランスロットの奇跡』を受け継ぐ者だ」


ここにいる全ての人間が驚愕した。

ランスロットの奇跡とは、はるか昔に真の詠唱を作った魔導士の文献のことだ。そしてランスロットの死後、その文献を見つけて賢者と呼ばれるまでになったのがマーリン。

そして、人を人と思わない人体実験を繰り返し、不老不死を夢見ていたマーリンを殺したのがジン。最後に正気に戻ったマーリンから、『ランスロットの奇跡』を受け継いだのがジンだ。

国王は首根っこを掴まれたまま、苦しそうに声を出す。


「わかった、わかったから……」

「いや、まだだ。もう一つ保険をかけとくか」


ジンはまたブリュンヒルドを抜き、国王の前に神剣を投げて突き刺した。


「目を開け、ブリュンヒルド」


ジンの言葉にブリュンヒルドは謁見の間を白く染め上げるほどの光を放ち、光が消えるとそこには……幼女がいた。

年の頃は7歳前後、山吹色のショートヘアーにかぼちゃパンツが外から見える丈の白いワンピースを着た、可愛らしい幼女だ。ぷにっぷにの幼児だ。


「リュリー、話は聞いてたな?ここに残って監視をしろ」


ブリュンヒルドはジンだけをまっすぐ見て、


「ヤなのよ。あたちはジンとともに在るものなのよ」

「……2年だけでいい」

「ふざけるんじゃないなのよ。2年もこんなところで過ごすならまとめて皆殺しにすればいいなのよ」

「それが出来ないから言っている」

「なら……」


ブリュンヒルドはゆっくりと後ろを振り返り、アリサを睨むように見つめた。


「ヤヤこしの元凶も殺せばいいなのよ。あいつさえ居なければ全て丸く収まるなのよ」


ブリュンヒルド、この幼女が本当に神剣が人化したものだとしよう。それだとしても神剣とは思えない辛辣さ、ジンより情け容赦ない。

アリサはたまらず声をあげる。


「こ、コレが神剣?!悪党の間違いじゃないの?!」


アリサがそう言い切ると同時に、ジンが大声で叫んだ。


「リュリー!!!」


誰も全く見えなかった。だが、アリサの目と鼻の先には、指先を刃物のように鋭くしたブリュンヒルドが、アリサの首を引き裂かんとしている瞬間だった。


「リュリー、そいつが、お嬢がアレだ」

「っ!」


ブリュンヒルドはジンの言葉に目を見開く。


「本当にいたなのよ……」

「ああ、いた」

「何、なんの話よ……」


ジンとブリュンヒルドはアリサを置いてけぼりにして話を進める。


「なら殺すのはやめてあげるなのよ」

「それと仕事もしろ。たった2年だ」

「それとこれとは話は別なのよ」

「リュリー、ここはチョコ御殿だ。チョコが毎日食い放題、チョコ風呂にも入れるぞ?」

「っ!」


ブリュンヒルドはさっきより目を見開く。そして顔を赤くして、プイとそっぽを向いた。


「あ、あたちはそんな簡単な女じゃないなのよ!」

「そうか。なら空間リビングの中のチョコは捨てといてやる」

「なっ!ひどいなのよ!それだけはダメなのよ!!」


ブリュンヒルドは年相応らしく、地団駄をふんでジンに抗議した。


「たまには顔を見に来る。それにこのおっさんはお前にチョコをあげたくて仕方ないそうだぞ?」


ジンが首根っこを持ち、国王の顔を見ると何故か国王はほけぇとした顔をしていた。


「も、もちろんだ!余はチョコが大好きだ!いくらでも、そう……国中、いや世界中のチョコを集めてやる!!」


何故か俄然やる気になっている。

ブリュンヒルドとアリサ、シャルロッテは半眼になり国王を睨む。


「あいつ、気持ち悪いなのよ」

「最低……、国王がロリコン?」

「お父様、シャルは二度とお城に戻りたくなくなりそうですわ……」

「リュリー、わかってるな?監視だぞ?」


ブリュンヒルドはすぐに表情を戻し、


「殺してもいいなのよ?」

「殺すのは俺がやる。何かあったら知らせろ」

「……仕方ないなのよ。絶対2年だけなのよ」


2年というのは、アリサが学校を後2年で卒業するからだ。


「よし、まあこれでなんとか安心だ。国王、わかってるだろうな?」


国王はこの状態なのに、目線はずっとブリュンヒルドを追っている。まるで魂を抜かれてしまったかのようだ。

国王はジンを見ずに、言葉だけで答える。


「……リュリーに手を出してもいいが、殺されるからな?」

「わかっておる、余はそんなことはせん」

「本当に死ぬぞ?聞いてるか?」

「聞いておる。……、あの子こそがグランパニアの至宝だ……」

「わたくしがお父様を殺してもよろしいかしら?」


しまならくなったが、なんとか話は終われそうだ。ジンは国王を離し、一服しながら「疲れた」と天を仰ぎ見た。

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