第11話ここは、何の施設なの?

「美味しかったね!」

「ねー!」

 お腹一杯パフェを食べて終始ご機嫌な妹二人

その後ろ、兄二人とカリアが後を追う


「ところで、ここは何をする場所なんですか?」


 和やかな雰囲気の中、ノエルがカリアに質問する

だが、本部に来てもう丸1日は経とうとする時間

「今さら聞くか?」

 一通り本部内を見たところで聞く質問に呆れるクリル

「いや、此所をよく知らないから」

 ははっと笑うノエル


「そうですね、大体は、この国を納めたり、午前レフトの方や午後ライトの方々の相談や非行、犯罪などの取り締まりだったり、なぜ、12時になると使えなくなるのかを研究していたりしますね」

 カリアが、大体の本部の内容を説明していると、そそくさと妹二人も、話しに参加してきた


「カリアさんやリエルのお父さんは何をしているの?」

 メイナの質問にドキッとするノエルとリエル

カリアも、その返事に少し困った表情


「私達は基本的に、迷い人の保護だったり、相談や能力の喧嘩を取り締まったり……色々ですね。アゼルさんは……私からは何も言えません。ゴメンなさいね」


「いえ……」

 ノエルとリエルが、少し落ち込み、ちょっと静かになった廊下に、突然ビービーと、カリアが持っていた受信機から、音がなる

 

「すみませんが、仕事がありますので、ここで失礼します」

 ペコリとお辞儀をするカリア

「えー?」

 ブーブーと不満そうな妹二人

「終わり次第、来ますので、ゆっくり本部を見学してくださいね」

 ぱたぱたと四人から離れていくカリア

その行き違いで、四人の後ろから聞き慣れた声が聞こえてくる


「あっ、いたいた、君達」

 その声のするほうに振り向くと、バルバ大佐が手を振り四人に駆け寄る

 息を切らしてやって来たバルバ大佐

「ノエル君、リエルちゃん、学力テストだ。来てくれるかい?」


「あー……」

 忘れていたテストに嫌な顔をするライム兄妹

「頑張って!」

 ぬいぐるみのリーリルの手を取り、ヒラヒラと応援のつもりで手を降るメイナ

「あ、ありがと……メイナ」

 しょんぼりと、テストを受けに行くノエルとリエル

それを見送るクリルとメイナに、あっ、と何かを思い出した顔をするバルバ大佐


「バータナ兄妹、君達も明日、朝一に実技テストをすることになったから、もう部屋に戻って休むようにな」

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