第10話おやつは甘く騒がしく

「まだかな?」

「もう少し?」


 テーブルにドンッとメイナのぬいぐるみを乗せて、パフェを待つルンルンな妹二人


「なんというテンション……」

 遅れて食堂に来た兄二人

今までにない妹のテンションに、嬉しいやら悲しい顔

「女の子のお菓子の力はスゴいんだね……」


 兄妹のテンションの差が増えてきた頃

 カリアとシェフ達が大きなパフェを4つ抱えやって来た

 パフェを見ると、キャーキャー騒ぐメイナとリエル

 大きなパフェにドン引くクリルとノエル

「ほら、男子も頂きましょう」

 ニコニコと誘うカリアに苦笑いで席につく


 なんだかんだで、パフェを美味しく食べていく四人


 ワイワイと食べていき、パフェも食べ終えそうな頃

「これからどうするんだ?」

 先に半分ほど食べて、おやつを終えたクリル

すると、そのパフェをメイナが奪い取っていった


 クリルに言われて、うーんと悩むカノン隊長

「今は……4時前ですかそうですねぇ……。ライム兄妹は、夜に学力テストをしましょうか。バータナ兄妹は、明日の朝に実技テストしますので……」


「はぁ……」

 カノン隊長の予定を聞いて、テンションが下がるクリル

「どうしたの?」

 ノエルが心配して話しかける

「本当に午前レフトって不利だよな。大体さ、みんな寝ている時間に能力が使えるって意味なくね?本当に、お前らが羨ましい……」

 まだ騒ぎ楽しんでいる妹のメイナと違い、テストのことに悲観している兄クリル

「そうか……あまり考えたことなかったけど」

 クリルの悩みに、どう返したらいいかわからないノエル


「まあ、そんな悲観するでない」

 二人の話しに入ってきたのは、バルバ大佐

「ここ境界線本部にも強い午前レフトの者もいる。なんなら明日の実技テストに呼ぼうか?」


「ぜひ!呼んでくれ!」

 バルバ大佐の提案が強い人に会えると思い、嬉しそうなクリル

「ではカリア、明朝、準備を頼む」

 

「……了解しました」


「メイナ、テストってどんなだったの?」

 テンションが、落ち着いてきたリエルと、まだ余ったパフェを頬張っているメイナ

 クリーム一杯含んで、みんなとの会話に参加する

「んとねー。お兄ちゃんが頭悪いから解けなかったけど、リエルは大丈夫だと思うよー」


「メイナー!」


 和気あいあいと明るく、楽しそうな四人を静かに見守っていたカノン隊長

突然立ち上がり、みんなの注目を集める

「今日は良い日でしたね。すみませんが、先に失礼します……」

 疲れたのかフラフラで食堂を出ていくカノン隊長


「カノンさんって、変な人?」

 変な様子で、出ていったので不思議そうにメイナがカリアに質問する

「いや、アゼルの事が気になって上の空なのかもしれないな」

 バルバ大佐の発言に、少ししょんぼりするリエル

「ちょっと大佐……」

 カリアに諭されリエルに気づき、あたふたとなるバルバ大佐

「し、失礼。君達が悪いわけでもないな。ほぼアゼル、アイツが悪い。まぁなんだ、次のテストまで皆この境界線本部を探索でもするがいい。ワシが許可を取ろう」

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