第6話大人達の気持ちが迷子

 明け方、大人達は会議室にて、会議の真っ最中

午前レフトの人も午後ライトの人もみんな集まって大いに悩む


「そうか、では一応、二組の家族の捜索を……」


 カノン隊長が、集まった人々に色々指示を出している

 だが、隊員達は、何となく上の空で、眠いのか悩んでいるのか、そんな表情で聞いている


「アゼルさんはどうしますか?」


 カリアも不安そうに、会話に参加する

だが、カリアのその言葉につぐむ一同

 重いような、変な空気の中、代表で話始めたのはカノン隊長


「ヤツはなぁ……とりあえず、ライム家を探すか。午前レフトの二人は、家族を見つけ次第というところか……」


 アゼルという存在に頭を抱え悩むカノン、同じような姿で隣で悩むバルバもいた


「その間はあの子達は?」

 参加者の一人が、聞いてきた

「とりあえず、四人の能力値を調べた後、学校編入を決めるしかあるまいな」

 バルバ大佐が答える


「ていうか、アイツは?」

 はぁ。と、ため息をつく、会議に参加した別の隊員

「アイツ?」

 別の隊員が、何事かと聞いてくる

「ダングだよ。さっき、男子寮で暴れまくって大変だったんだ……」


「なぜに?」


「そりゃーねぇ……」

 言葉を濁す隊員

何処からか、微かな愛想笑いが聞こえてくる

 今度は、カノン隊長が大きなため息をつく


「ダングは、処分保留だ。壊した物の弁償は確定だろうがな。とりあえず、今はあの子達四人の対応を急ぐぞ。子供の非行、および貧民捜索は、本部の一大任務だからな」


「非行っていったら怒られるぞ」

 ふふっと笑い、注意をするのはバルバ大佐

「そうだな」

 クリルの事だろうか、思い出して微笑むカノン隊長


「時に、四人のタイプは?」


 バルバ大佐の疑問に、カリアが作った簡易の資料を手に取り、あれやこれやと、眺め悩む一同


「ライム兄妹は午後ライト、バータナ兄妹は午前レフトだな。後日、どのくらい使えるか調べてみないと……」


 子供達四人への対応の会議話は進むが、アゼルが気になり、みんな心ここにあらずな様子

 沈黙が流れる会議室

気分を変えようと、話を進めるカノン隊長だが、本人も少し上の空


「で…では、しばらく、四人にはこの寮にいてもらおう」

「アゼルの子かもというのは、なるべく内密にするように。またダングみたいな暴れ野郎が出ても、困るからな」


 そして、時間はあっという間に夜明け過ぎ

それでも境界線本部のあちらこちらから、忙しそうな音が聞こえてくる

 外の雰囲気を感じ、終わりの合図をカノン隊長が、始めだす


「とりあえず、会議は終わろう。午後ライトになってからまた、四人から話を聞こうか……」

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