第90回『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』
まさかあの問題映画『変態仮面』の続編が出るとは思っていなかった。
前作が素晴らしい作品にも関わらず……上映映画館が少なかった。
もっと、沢山の人にヘンタイに触れてほしい! いや、なって欲しい!
そんな願いを胸に、私は公開初日に見に行く力の入りようだった。
今はネット予約が一般的だし、飛び入りでも人間店員の対応じゃなく機械でチケットが買える時代なので、「ヘ、変態仮面大人一枚……」などと恥ずかしい言葉を口にしなくてもよい時代になった。
それは、いいことなのか? やっぱり、言いたくないか?
恥ずかしさに穴があったら入りたいような気持と、深層意識でそれを喜んでいるお客。そして、店員の誇りとして、「自然に」と思い平常心を心掛けながらも、「ヘ、ヘンタイ……」と、内心が騒ぎ、その微妙なズレがぎこちなさを生む、若いチケット売り場のねーちゃん!(JK・JDバイトならなお萌える!)
このシチュエーションこそが、男のロマンじゃないか!?
(こういうことを思う時点ですでに、私は変態の資格十分である)
前作で、大好きな愛子ちゃん(清水富美加)のパンティー(表記が面倒なので、以下PTと略す)をもらい、パワーアップし、活躍する変態仮面。
確かに、人の役には立っているのだが、自分のPTを顔に履かれて新聞やTVを賑わせている色丞狂介(鈴木亮平)に、思いは複雑。
ついに、「私のPTを返して!」と言われてしまう。
自分が変態仮面になることで、ある面敵や危険を呼びこんでしまうと考えた狂介は、これ以上愛子に迷惑をかけてはいけないと、変態仮面に変身しないことを決意。愛子にPTを返す。
しかし、大学の生物学の女教授、彩田(水崎綾女)に「好みのタイプ」と言いよられ、そのタイミングでたまたま襲ってきた暴漢を撃退するために変身してしまう。(しかも、愛子のPTを返上してしまったため、たまたまあった彩田先生のPTを使用してしまう)
その後も、前作で倒したはずの宿敵が生きていることを知り、変身し戦い続けるが……(もちろん、彩田先生のPTを使って!)原因不明の疲労・不調が変態仮面を襲う。そして、その原因がすごい。
●罪悪感
狂介が本当に愛しているのは、愛子ちゃん。
いくら好かれたとはいえ、彩田教授は本命ではない。
その、本当に愛する者以外のPTで興奮するということ、しかも先生と生徒というあってはいけない「禁断のエクスタシー」のエネルギーで変身したことへの、後ろめたさ——
そこが、変態仮面の超人的な体を蝕む。(ふ、深い……)
変態にも、純愛があるんですな。
このままでは敵に勝てない、と悟った狂介は、飛騨の山奥にいると聞く「変態仙人」に弟子入りし、修行して強くなることを決意。変態仙人(安田顕)は、狂介にある重要な真理(?)を伝える。
……下界の変態は、周囲に女人があふれておる。
だから、女がいることが当たり前であり、そこに大した感謝も興奮もない。
お前が弱いのは、そこだ。「贅沢」になっておるので、使用済みのPTでないと興奮ができんのだ。新品などでは、興奮できないのは当たり前じゃ。
でも、この山奥に来て、どうじゃ? 女のおの字もない。そんなストイックな環境でも、変態は生き抜こうとする。喜びを得ようする。その修行の結果、ワシが得たのは何か?
未使用の下着であっても、「それしかない」環境で生きることで、「自力でその下着に思いの力でにおいを引き寄せ、あかたも使用済のものとして興奮する術を身に付けたのじゃ!」
……なんのこっちゃ。(笑)
とにもかくにも、ヘンタイの極みに覚醒した(悟りを得た)狂介は、愛子ちゃん実物のモノホンPTがなくても、自らの力でエクスタシーエネルギーを得られるようになったのである。
現実がどうでないと、~できない。~でないと、幸せになれない。
結構、「勝手な意味づけ」「自業自得の定義付け」というのは、生きてれば沢山している。外側のあらゆる「現象」に対して施す「解釈」のことですな。
その「解釈」がとりわけ面白い・ユニークな者が、人気スピリチュアル・メッセンジャーになるわけだ。
間違いのない真理かどうか、というのは置いといて……ね。
●~でも、~できたっていいじゃん?
この発想ができたら、問題解決の第一歩を踏み出せる。
時代は、実行力のある「ヘンタイ」を求めている。
正義のヘンタイ、愛と誠のヘンタイの「目覚め」が多く起こってくることが願われている。(ホンマカイナ)
さぁ、あなたも今ヘンタイとして 「目覚めて」、世の中を救ってみないか!?
しかし、PTと略して記事を書いてよかった。
まさか、1記事の中でPTという単語を9回も使うとは思わなかった。
【今日の格言】
変態仮面
見るは一時の恥
見たことを人に言うは一生の恥
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