蜷色の少年

のだなのだ

序章

 花火。じっとりした八月の夜空を、一瞬にして爽快で豪快な一大パノラマに変貌させてみせた。しかし、その連続的な破裂音は僕の怒りを加速させ、最高点で爆発させた。


「俺の気持ちなんか理解できるわけもねえよなあこのクソ野郎。消えちまえこの馬鹿。最後だから言ってやるよバーカ。チッ。なんで黙ってんだよ。もういいよ、てか、こんなとこに誘った俺の方が馬鹿だったよ。くそ。」  


目に映る華の最高美とは対照的に、怒りと悔しさで配合された拳の中の汗は、最悪だった。

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