悪役令嬢が悪役をしなかった結果。ヒロインに監禁され、愛されるようになりました。

華洛

第1部(本編)

第1章 (元)悪役令嬢は監禁され、ヒロインに愛される

第1話 (元)悪役令嬢はヒロインに監禁されました


 私の名前は、ローズ・ウィスタリー・シュベァイル。

 デッシュティル王国を支える四大公爵家の一つシュベァイル家の長女。兄と妹が一人ずついる。

 幼い頃に、高熱を出した私はふと前世の記憶が蘇り、この世界が生前にプレイしたゲームに酷似している事に気がついた。

 そこから私はバッドエンドルートを回避するために奔走した。


 「追放」「没落」「死刑」

 それがバッドエンドの種類。

 ゲームではフラグに関係なく、完全なランダムであったため、とりおえずヒロインの好感度を上げることにした。

 ヒロインにさえ嫌われなかったら、バッドエンドに行くことはないはず。たぶんだけど!


 「ゲーム」における攻略対象者は4人。

 私も「ゲーム」のキャラである以上、仕方なく対象者たちとのイベントは発生する。

 出来る限り対象者たちの好感度は上げずに、恋愛面は可能な限りヒロインに任せた。

 そもそも前世と今世と合わせて彼氏居ない歴=年齢の私が攻略対象者たちみたいな上物を相手に出来るわけがないよ。

 それに下手に恋愛関係になって、ヒロインと三角関係になって嫌われでもしたら大変だ。

 婚約者である第一王子が、婚約破棄を言ってきたら、謹んで受け入れる満々だった。


 「ゲーム」らしく様々なイベントが起こりに起こった。

 結果だけ言おう。

 私は見事にバッドエンドを回避した。そう、回避しました!!


 「ゲーム」の舞台となるデッシュティル王立学園での苦節三年の生活。

 私は「追放」「没落」「死刑」のエンディングを迎えることなく、ヒロインとも良好な関係のまま舞台を終えた。

 だからこそ、私は気が緩んでいた。

 卒業祝いにとヒロインに誘われて、小さなバーだけど高級感がある店へと向い、学園の出来事を懐かしみながらお酒を飲み、私は酔って気を失った。

 そして気がつくと、どこかの屋敷のベッドに、手錠と鎖と首輪をされて寝かされていた。

 何を言ってるか分からない?

 私も分かりたくない。


 咄嗟に私は逃げるために、魔法を発動させようとしたけど、発動はなかった。

 手錠を見ると宝石が埋め込まれている。

 罪人が魔法を使用しないようにするために付けられる特殊な手錠。

 自慢ではないけど、私の魔力の総容量だけは王国歴代の中でもトップクラスだ。

 その私が魔力を全く感じられないほど強力な宝具は、騎士団が持っている国家転覆クラスの罪人に嵌めるものしかない。

 なんでそんな物が嵌められているか分からない。

 

 魔力が無理だと判断した私は武力を使うことにした。

 ヒロインの好感度を高めるため、私の力は攻略対象者を上回る武力を身に着けている。

 おかしい。力がまるで入らない。気力が抜けたような状態。

 私は察した。首輪の影響だ。

 これも騎士団が持っている国家転覆クラスの罪人にする宝具。

 なんでそんな物をされているのか分からない。


 詰んだ。はい。詰みました。

 魔力が封じられ、力は普通の町娘レベルに落とされた私にはどうする手段も無かった。


 諦めていると扉が音を立てて開いた。

 入ってきたのは金髪のショートカットの少女。

 アリア・クラウン・エクスデス。

 私が、好感度をひたすら上げた、ヒロインの少女だ。

 

「――アリア?」

「はい。ローズさま。目が覚めたんですね」


 「目が覚めた」と言った。

 つまり彼女が原因だったりする。

 いやいや、ないない。

 拉致監禁をするような子じゃない、はず、だよ、ね?


「……聞くけどさ。この手錠とか、鎖とか、首輪をしたのって、アリア?」

「はい!」


 見たものを魅了するような笑顔でアリアは返事をしてきた。

 アリアは笑顔のままベッドに近づくと、ベッドの上へと上り、四つん這いで私に覆いかぶさった。


「アリア?」

「ローズ様。ずっとずっとずっとずっとずっと私が貴女さまを愛します。ええ、もう、誰にも触れさせません。私だけのローズ様」


 狂気を含んだ瞳に、私は寒気を感じた。

 今までで、アリアと一緒に居て、初めて恐怖を感じた。

 アリアは顔を近づけて、唇を重ねる。

 そして舌を出し、私の口へ舌を挿入して、私の舌を舐る。

 顔を動かそうにも、アリアが両手で顔を抑えているため動かせない。

 どれほどの時間の間、されたか分からない。だけど凄く長く感じた。

 アリアが顔を離すと、舌と舌が唾液の糸が伸びる

 幸悦したアリアの表情はとてもとても淫靡だ。

 

 アリアは私の服を脱がし、舌を全身に這わす。

 まるで私の味を確かめるかのように。

 それはとても嫌悪感があり、抵抗しようにも、全てを封じられている私は無力だった。


「あっ、アリ――アッ。――ッ、ッ」


「声、我慢しなくても良いんですよ。もっと声を聞かせてください」


 アリアは舌で全身を這わす時、少しでも私が反応したところを重点的に攻めてくる。

 必死で我慢しても、すぐに声が漏れる。

 それが嬉しいのかアリアは、更に攻めて、私は声を出して喘ぎ声を出す羽目になった。

 もう泥沼だった。

 上半身を舐め終わり、下半身に舌が行く頃には、私は我慢をせずに喘ぎ声を漏らしていた。

 

 

 

 全身を舐められた私は、アリアの唾液でベタベタだった。

 それを愛おしそうに見つめるアリアに恐怖心を抱くことさえできないほど私は精神的に摩耗していた。


「ローズ様。凄く良かったです。また直ぐに来ますので、待っててくださいね」

「……う、ん……」


 アリアの言葉にただ自動的に返事をする。

 部屋を出ていったアリアを見たあと、しばらく呆然としたあとで私は泣きながら叫ぶ。

 

 「どうして……どうしてこうなったぁぁぁ」

 

 

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