夜は化け物が来る家の数日間
1日目_昼
俺は今日、ある家の潜入調査に来た。
何故、俺が家なんかを調査するのか分からない人の為に書いておく。
私が調査に来た家は、夜な夜な化け物が出てくると噂らしい。
実際、この家に肝試しをした若者は行方不明になってるし、この家の行方不明事件を追ってた刑事が突然失踪するなんてことも良くある話だ。
恐らく、この家には本当に何かがいるのだろう。
ってことで、俺が調査しに来たわけだ。
まずはどこが安全かを見分けないとな・・・。
一日目_夜
・・・、あんなでけぇ・・・、馬鹿力ある・・・。
本物の化け物だな・・・。
あんなもんがこの世に居ていいのかって疑うほどに、規格外の奴だ。
しかも、何が怖いって・・・、見えないんだよ・・・。
なんだろう・・・、取りあえず、朧げな輪郭は視える。
恐らく、2メートルくらいあった。
元々、ここの家が変に屋根が高い理由はそれか?
まぁ、今はそんなのどうだって良い。
あの、化け物は黒いオーラ?みたいな何かで覆われてて、見えないんだ・・・。
取りあえず、なんとなく人型って言うのは分かったから良しとする。
では、今日の報告は以上に・・・?
ん・・・?
いや、おかしいぞ・・・、最初は気づかなかったけど明らかに外装と内装がかみ合わない。
外から見た時と中のサイズ感がちげぇ・・・。
外から見た時は明らかに2メートル以上の高さなんてなかった。
どういうことだ?
空間って言うか・・・?場所?
この内部の空間は明らかに違う場所だ。
まだ、ここは訳が分からないことが発生しそうだ。
では、今日の報告は以上とする。
二日目_昼
流石、徹夜は体にダメージがある。
調査はこれでは続けてられない、断念しようと思っていた。
昼間なら化け物も出てこないから・・・。
だが、俺はここでの調査を強制させられることになった。
もしかしたら、昨日考えた内部の空間と外部の空間が違う可能性もできたかもな。
ほぼ確実にこの家の内部はこの家の外部と同期していないことが分かった。
同期ができてないからこそ、扉を開けてもその先が無いなんてことがあり得るんだ。
さて、ますます不気味さを増したこの家・・・、どうやって脱出するかを考えなければならない。
二日目_夜
一つ分かったことがある。
あの、化け物はでかさの関係で狭い場所には入ってこれない。
あともう一つ、化け物は鏡を極度に嫌う。
何故かは分からないが、鏡がある場所には寄ってこない。
あの、黒いオーラと関係があるのだろうか・・・?
恐らく、俺があいつを見れないとは密接な関係があるのだろうが、もっと化け物の事を深く知らないといけない。
今日は、天井が低い風呂場のようなところで寝る。
だいぶ、かび臭いがそこは我慢だ。
明日は、ここに隠されてる書類等を調べていきたい。
三日目_昼
今日は、書斎のようなところを調べている。
でも、外部から見た時は書斎のような部屋は確認できなかった。
普通じゃないのは昨日の事とかでよく分かってるから、あまり疑問に思わないようにしたが。
あっ、言い忘れていたが恐らく書斎に居る限り俺はあの化け物に襲われることはなさそうだ。
書斎の中心には巨大な鏡があるのだが、その鏡には特殊な紋の様な物が描かれてる。
昔、これを誰かが作ったなんて信じられない・・・。
恐らくこの鏡があの化け物が鏡を嫌う理由であり、あの化け物が生まれた理由でもありそうだ。
なかなかに、不思議で幻想的だ。
三日目_夜
化け物が徘徊している音が外から聞こえる。
流石になれていた。
やはり、俺の読みは外れてなかった、書斎には一切は居てこなかった。
扉もでかいから、少し怖かったのだが・・・、恐らく大丈夫だな。
今更思ったんだが、あの化け物って一人じゃないのか?
足音の量が一人にしては多い気がする。
そろそろ、出る手立てを考えておきたい。
四日目_昼
そういえば、俺が昼と朝が分かる理由を述べるのを忘れてた。
実は、この家は至る所に時計がある。
この時計が時間感覚を狂わせないようにしている。
実際に、時計の時間通りに化け物が出たり、出てこなくなったりしている。
でも、何でこんなに時計があるんだろうな・・・。
四日目_夜
もう一つ述べ忘れてた・・・。
実は夜になると、部屋全体が暗くなって懐中電灯が無いと歩けなくなってしまう。
そのため、夜に出歩くのは流石に自殺行為だ。
明るいと、化け物にばれやすくなってしまうだろうし・・・。
だが、いつも思う。
夜にしかない部屋や、昼にしかない部屋があるんじゃないと・・・。
何故そんなことを思ってしまったのか・・・。
この家の間取りは、少しずつ変わっていってる。
それがあり得るってことは、恐らく、部屋が変化しているのだろう。
しかも恐らくだが、化け物に近い夜のタイミングが最も情報を集めやすいのではないかと思っている。
五日目_昼
あぁ、また知りたくもない事を知ってしまった。
・・・、昨日は何となく感じてた間取りの変化が顕著になっていた。
おい・・・、嘘だろう?
そう思いたくなってしまった。
現実的ではない、と思おうけど、目を背けれるほど小さなことではない。
早く脱出しなければ・・・。
五日目_夜
・・・、息を殺して、夜に探す。
恐らく、出るには何かをしなければならない・・・。
だからこそ、危険を冒してでも夜に出歩く。
無論、懐中電灯なんてつけてない。
ゆっくりと手探りで歩き回る。
足音が聞こえたら、物陰に潜み、隠れる。
化け物どもは目が悪いのか、光で俺を確認してたのかは知らないが、俺を見つける奴は居なかった。
・・・、やはり手探りでもわかる・・・。
どう見ても、間取りが違う・・・。
俺は、昼間にはなかったと思われる部屋に入り込んだ。
そこは、ただでさえ暗い家の中でも最も暗いといえる場所だった。
暗闇になれた目でさえも、1メートル先も確認できない。
本能的な恐怖があるが、俺は踏み込んだ。
暫く、床に手をつきながら、四つん這いの状態になりつつ、少しずつ、少しずつ、進んでいった。
こんなにも、暗闇が怖いと思ったことはなかった。
・・・、何か(化け物)に触れてしまったらどうしようかと思いつつ、俺は進んでいった。
・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・、・・・。
っ!
暫く、手探りで動き回っていたら何かが俺の指に触れた。
・・・、何だこれ?
タッチパネルか?
しかし、何のタッチパネルだ?
俺は少しだけその周辺を手探りで調べてみた。
扉のようなものが確認できた。
恐らくその扉のタッチパネルだろうが、この家には電気が通ってないはずだ。
だが、この奥には確実に何かがある。
夜にしか現れない、部屋。
つまり、そういうことだ。
・・・。
開ける方法は・・・、ないのか?
俺は、その周辺をまた手探りで歩き始めた。
流石に、時間がそろそろ俺としても不味くなってきてる気がする。
この状況において眠くなることはないが、流石に体に過負荷すぎる。
俺に体が壊れてしまえば、そこで終了だ。
・・・、足音・・・?
っ・・・、後ろから、誰か来るっ!
早く逃げなければ!
だけど・・・?どこに・・・?
ダメだ!このままじゃつかまる!
そうだ!鏡をポケットに入れてるんだ!
ポケットに入れた、鏡を後ろの足音が聞こえる方向に向けた。
・・・、あれ?
近づいてくる?
あれ・・・?鏡は・・・?
ついに足音は目の前まで来てしまった。
そこに居たのはでかい化け物ではなかった。
真っ白な肌をしたおじいさんだった。
は・・・?
そのおじいさんは俺に向かって何かを言いつつ、手をこちらに出してきた。
そのおじいさんが言った言葉は「お前はひつ_______________
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