脂ぎった構図

 猫猫犬犬猫犬犬。可愛らしいな。

 犬犬猫猫犬猫猫。わかった、もうわかったから。


 ワンワンニャアニャアワンニャアニャア。鬱陶しい!


 小動物でいいねを稼ぎにいってる。SNSの全てをそうだとは言わない。しかし、どう見てもそうだとしか思えない投稿が多い。


 普通に小動物がそっぽを向いていたり、逆に撮影者が気を引こうとじゃれている様子なんか問題ない。うちの子の可愛いとこを見てもらいたい、という飼い主の心理は分からいでない。



 一番絶望した投稿がある。



 部屋のハンガー掛けに吊るされたトートバッグ。そこに首だけ出してすっぽりとハマった猫の写真。投稿者コメントに「自分で入って抜けなくなったみたい。カワイイ!」


 ふざけんな。有り得るか。不自然にも程がある。明らかに飼い主がバッグに入れて撮ったものだ。撮られた猫も「ゑっ?」と大きな目を見開いている。


 嘘臭い絵面。机に教材と筆記具を広げただけで、さも勉強してますと、部屋に入ってきた親にアピールする子供のようだ。それが自己顕示欲のため、しかも小動物の愛らしさを利用しているところが本当にイヤらしい。


 こういった貪欲な構図の投稿を見ると、うざいねボタンがないことが心から口惜しく思える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る