雨宿り
「どうして君は泣いているの?」
どうしてそんなことを聞くんだい
頬に煌めく涙一粒
拭って隠して「大丈夫」って
「どうして悲しそうなの?」
言葉に詰まる
答えられないんだ
頬の上を何か温かいものが流れていく
大好きなんだ でも大嫌いなんだ
感情表現は未だ子供で
小さな水の粒が沢山溢れて弾けていく
待っても待っても降り止まない雨
アスファルトは水玉模様
「どうしてひとりでいるの?」
どうしてそんなことを聞くんだい
周りに誰もいない
他の誰かに聞けばいいじゃないか
「どうして寂しそうなの?」
鼓動がトクリ
答えは見つからなくて
頬を 顔を上げれば温かくて冷たい夏の夜空
大好きなんだ 今だけは素直に
感情表現は子供のままで
光の筋が瞬く間に沢山現れて消えていく
願いが届いて降り止んだ雨
アスファルトに私の影
声は届かない
海の真ん中 悪意に溺れて
声は渇れてゆく
海の真ん中 涙は堪えて
「誰か助けてよ」
頬の上を何か温かいものが流れていく
悲しいときは泣いたっていいんだ
感情表現も堪えずに
小さな水の粒が沢山溢れて弾けていく
少しだけ待ってね すぐ止むから
アスファルトに水玉模様
ほんの少しだけ雨宿り
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます