小説で人を幸せにしろ

5 私は執筆を辞めた

　恐らく殺人将棋小説を完結させた後の話だが、『ハムナプトラ奮闘記』と言うSF小説を書いた。これを書いたせいで、私は執筆の楽しさを結果的にほぼ失いかけてしまった。

　この作品も有り難い事に、多くの人に応援された。

　しかし実際は、この小説は身内ネタが主であり、それにも関わらず高評価を外部からもそれなりに得てしまった。これが、アンチの嫉妬心に火を付けた。

「SF勢に失礼」、「作者自身にファンが多いだけで正当な評価ではない」、「前作で成功して調子に乗っている」

　様々な声を耳にした。無視すればいいだけの話だが、この場合だと微妙に訳が違う。結局、私だけでは無く、これだと私の作品を評価してくださった方にまで飛び火してしまっているのだ。正直心が痛かった。ぷいゔぃとんと言う名の悪魔を崇めたてる周囲も悪と見なされてしまっているのだから。

　因みに今現在、私の執筆活動は同じ様な事件をきっかけに少し休止している。書いた物から笑いが生まれなければ、書く意欲など生まれる筈が無いのだから。このエッセイみたいな物は、ちょっとしたリハビリみたいな感じだ。